FX初心者向け入門・始め方と口座比較

ジャパン・バッシング

英語のJapan bashing(ジャパン・バッシング)がそのまま日本語となりました。bashing(バッシング)は強打する、打ちのめす、叩きのめすという意味です。そこから転じて、欧米諸国が不当に日本を政治面や経済面で攻撃することを指します。「日本叩き」とも呼ばれました。

 

歴史は古く、1970年代に日本が高度成長を遂げ、世界第2位のGDP国家となった時期まで遡れます。日本の対米貿易黒字は10年以上も増大を続け、対日感情が悪化しました。特に当時の通商産業省(通称MITI、ミティと呼ばれた)が様々な貿易障壁を作り海外企業の日本への進出を阻害し国内産業を保護している、反対に国家が主導して輸出を伸ばしているという背景もありました。

 

私見ですが、日本が黄色人種の国であるということも当然原因の一つだと思われます。様々な参入障壁を作り、国家が輸出を主導しているという点はある意味近年の中国の姿勢と似ており、中国が貿易面で叩かれているという点では現在の米中貿易戦争と酷似していますよね、「歴史は繰り返す」です。もちろん、日本は知的財産権の侵害は犯していませんが。

 

そして、1980年代にはアメリカの主要産業であった自動車産業が壊滅的な打撃を受け、反日世論が高まり、市場の解放、日本独自の商慣習の撤廃、為替レートの引き上げ、関税の撤廃、など様々な対日要求が出されました。1985年にはプラザ合意で大幅な円高ドル安となりましたが、それでも対日輸出は増加しませんでした。1987年には東芝機械事件というココム(対共産圏輸出統制委員会)に違反してソ連へ工作機械を輸出する事件が起き、米国の議員が日本製品を叩き壊すというパフォーマンスを演じるまで事態は悪化しました。そして今井先生が本文記事で解説されていますが、バブル景気による三菱地所によるロックフェラービル買収事件はアメリカ国民の神経を逆撫でしました。

 

その後日本は「失われた30年」と呼ばれる不景気に突入、反対にアメリカは好景気となり、ジャパン・バッシングも収まることとなりました。代わりに起きたのが人も資本も日本を通り過ぎるという「ジャパン・パッシング」です。

 

多くの大手外資系企業においてアジアとは別に存在した日本地域という区分は消え去り、ほとんどの日本子会社は本国でなく香港やシンガポールに置かれたアジア・パシフィックリジョンの本部へレポートしていくことになります

 

私見ですが、ジャパン・バッシングも嫌ですがパッシングよりもマシだったような気がします、それだけ欧米からみて日本が脅威だったということですので。

 

用語集へ戻る

当サイト内の文章・画像等の無断転載は厳禁とさせていただきます。引用される場合には、著作者名と当サイト名を必ず明示し、引用された部分をカギカッコで囲うなどの引用ルールを厳守ください。

 

記事のSNSでの拡散へのご協力、よろしくお願い致します!

Weblivre.inc
株式会社ウェブリーブル