WTO/世界貿易機関
英語のworld trade organization(ワールド・トレード・オーガニゼーション)の頭字語です。日本語では世界貿易機関とも呼ばれます。
1995年位設立されました。世界貿易に関するあらゆる国際ルールを決定しています。アンチダンピングなどの国際貿易のルールや特定製品の貿易協定策定、知的所有権など新しいルールの策定などを担当していますが、一番話題に上るのは、国際貿易摩擦に置ける調停役という役割でしょう。
1930年代に保護主義が進みブロック経済化が起こり第二次大戦が発生したという反省の元に第二次大戦後に設立されたガットが多角的貿易大勢の基礎を築いてきました。ガットは国際機関ではありませんでしたが、1986年に始まったウルグアイ・ラウンドにより、国際機関設立の必要が強く認識され、ガットの後継機関として国際機関として設立されました。
トランプ政権が誕生するとアメリカ第一主義により、世界中で貿易摩擦が多発しています。中国どころか同盟国のECもWTOに自由貿易をアメリカが侵害していると訴えています。1930年代の歴史を繰り返さないためにも、WTOの権限強化が重要だと思われます。
2019年には徴用工問題での日本による韓国向け輸出管理の厳格化において勧告がWTOで不当性を訴え、韓国が半導体材料など3品目が不当だと逆に提訴をして世間の注目を集めたのは記憶にあたらしい所です。2020年にはウイグルなどの人権問題で中国を批判したオーストラリア産の小麦に80%もの追加関税を課した中国に対して、オーストラリアがWTOに提訴しました。2021年には日本がステンレス製品に関して中国を提訴しています。
20221年11月現在、中国やロシアなど社会主義国と米国など民主主義陣営の政治的対立が深まっており、今後もWTOへの提訴合戦が続きそうですね。
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