ポピュリズム

英語ではpopulism（ポピュリズム）で、そのまま日本語になりました。ポピュリズムの指導者や信奉者がポピュリスト（populist）です。

一般大衆の不安や恐れ、願望を利用して人気を取るという政治思想です。大衆迎合主義とも呼ばれます。日本では小泉元首相や小池都知事がポピュリズムで成功した政治家とされているようです。

海外では、既存の政治への不満を持つ大衆を味方にして勝利したアメリカのトランプ前大統領が代表的なポピュリストです。また、アフリカからの移民問題を過剰に問題視して人気を獲得したヨーロッパの右翼政党・政治家もポピュリストと言えるでしょう。特にフランスの移民排斥を掲げる極右政党「国民連合」の創設者の娘で現党首のルペン女史の人気は高くマクロン大統領と伯仲しており、2022年の大統領選挙でのルペン氏勝利を予測するシンクタンクも現れています。

他にはイタリアのポピュリズム政党「五つ星運動」の党首で前首相のコンテ氏、ブレグジットを引き起こした張本人の一人であるイギリスの元ロンドン市長で現首相のジョンソン氏などが有名です。

ポピュリストは大衆の人気取りのために過激な発言をすることがよくあります。トランプ大統領のツイートでお馴染みになりましたが、イタリアやフランスのポピュリズム政治家の発言はユーロに、イギリスの政治家の発言はポンドに影響するわけですから、FXトレーダーはその言動への注目が必要です。最近では2021年12月8日ジョンソン首相がオミクロン変異株の脅威に対してテレワークの推奨や屋内でのマスク着用の義務化などの新たな制限策を発表、ポンドが下落しました。

2022年は新型コロナウイルスの影響で、排他主義が広がっており、ポピュリストの人気が復活しそうです。ドイツのメルケル首相が引退し、開かれた移民政策は転換点を迎えます。イギリスもイタリアも移民には厳しく接しています。米国ではアジア人へのヘイトクライムが急増しています。「中国株」との表現をトランプ大統領が用いたので中国人が標的なのでしょうが、ニューヨークなどの大都市でも起きているので、観光客でも巻き込まれる可能性があります。

ポピュリストの人気取りのための発言による為替市場の変動に、FX入門者や初心者の方は特に気を付けてください！

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