ブレグジット

2022年1月28日

イギリスのEU(欧州連合)離脱を意味するBritain Exit(ブリテンエグジット)を略したBrexit(ブレグジット)を日本語にしたものです。2016年6月23日に行われた保守党のキャメロン首相提唱によるEU離脱を問うレファレンダムの結果、離脱支持(52%)が残留支持(48%)を上回り、ブレグジットが決定しました。

 

この予想外の結果の背景には、EU参加国の国民にはEU内を自由に移動できる権利があり、労働者階級がポーランド、ルーマニアなどの東欧からの低賃金の移民が自分たちの仕事を奪っているという不満があったことです。年々増加する移民に不満を持つ層がいることは想定内でしたが、この点だけは、どの機関も予想できなかったのです。

 

本来なら労働者を代表する労働党がこうした労働者の不満を理解しているはずなのですが、1997年のトニー・ブレア首相以降、労働党は右傾化しており、保守党との政策の違いはほとんど見られなくなっていました

 

労働党のトップであるブレア首相はスコットランド出身ですが、父親は弁護士であり、「スコットランドのイートン校」と呼ばれていたパブリックスクール(階級社会であるイギリスにおいて、上流階級が通う私立高校。ラグビー発祥の地であるラグビー校、イートン校などの総称)を経てオックスフォード大学を卒業したエリートです。このような経歴の人物が保守党ではなく労働党の党首であったことが、ありえないことでした。

 

こうして労働党は労働者からの支持を失い、彼等の民意を吸い取れなくなっていたのです。

 

EUからの離脱はイギリス経済を支えている国際的金融街シティの凋落など、イギリス経済の衰退につながる、離脱に賛成する国民は少数派だと保守党だけでなく、労働党の政治家も考えていたわけです。オバマ大統領の残留要請など国内だけでなく海外からの在留支持の声は大きく、前評判では、離脱反対派の勝利が予想されていました。

 

しかし、こうした労働者階級の反対により(彼等が住む地域で最も賛成票が多かった)予想に反してブレグジットが現実となったわけです。2016年6月23日にポンドはケーブルをが1.44が1.34に1,000pipsも急落し、多くの投資家が大きな損失を蒙りました。

 

2018年には2019年3月の交渉終了期限に向け、EUとの話し合いが続き、ブレグジットの方針や進展具合に関する当局者の発言により乱高下するという状況が続いていました。2019年になると、メイ首相による混乱で8月には1.20まで下落しました。しかし、強行離脱派のボリス・ジョンソンが首相となり12月の選挙で保守党は大勝、ブレグジットは2020年1月に延期され、ケーブルは1.33まで大きく上昇しました。

 

その後、EUが貿易交渉を含めた移行期間について2020年12月からのさらなる延期は認めないと主張、ポンド/米ドルは再び選挙前の1.30をも割ってしまいました。2018年に締結された日本とEUとの貿易交渉は5年かかったわけで、先の話とはいえ市場の反応も当然との声が大きかっようです

 

2020年3月に株価が底を打つとリスクオンとなり、ケーブルは2021年5月には1.42と、ブレグジット以前の相場にほぼ戻しました。その後下げましたが利上げ予想もあり、1.36はキープしていました。しかし、BOEショックとオミクロンショックが起き、大きく下落しました。

 

今後どちらに動くのか予想は困難です。FX入門者や初心者の方には、現在はポンド相場へのエントリーはおすすめできません。

 

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