ミセスワタナベ

2022年1月28日

日本の個人投資家のことです。かつて、東京為替(FX)市場で、特段の材料もないのに主に円売りの動きが起こることがしばしばあり、一般の個人投資家の存在が、プロの間でも注目され始めました。さらに、2007年には、FXで大きな利益を上げた主婦の脱税事件が大きく報道され海外で「ミセスワタナベ」として認知されるようになりました。

 

その投資スタイルには、当時は金利が7〜8%と高金利だった豪ドルやニュージランド・ドルのスワップトレード」、「逆張り」、「円売り外貨買いが主体」という3つの特徴があります

 

世界のFX会社の取扱い額において、日本のFX会社がトップを含めて多数上位にランクインされています。日本においてFX取引を行う個人投資家の人数も上昇傾向を維持しており、FX入門者や初心者の方を含むミセスワタナベの存在感もさらに大きくなってきています。今井先生によると、このミセスワタナベがポジションを過度に外貨買いに傾けるので、反対に相場が動くとロスカットにより勢いが強まるという弊害があるそうです。

 

この円売り外貨買い手法につけこんだ手口も、当然出てきました。「ミセスワタナベ狩り」と呼ばれるものです。個人投資家が円売り外貨買いのポジションを膨らませているとき、日本が寝静まっているニューヨーク時間終盤からオセアニア時間の早朝を狙って、ヘッジファンドが円買いを仕掛けるというものです。

 

2011年3月17日朝5時過ぎ、ニューヨーク時間が終了するという頃、1ドル=79円80銭ほどをつけていたドル円相場は一気に76円台まで急落、76円25銭の史上最高値をつけ、1995年4月のそれまでの最高値1ドル=79円75銭を16年ぶりに、大幅に更新しました。しかし、まるで何事もなかったかのように、同日の朝10時ごろには1ドル=79円台まで戻ってしまったのです。日本の個人投資家の強制ロスカットを狙って、ヘッジファンドが仕掛けたのだといわれています。

 

2019年1月3日早朝、再び悪夢が起こりました。アップルが2日のニューヨーク時間明けに発表した10~12月期の売上見通しの大幅下方修正がトリガーと言われていますが、1ドル=109円台だったドル円が104円台まで下落、しかし日本時間には108円台に回復しました。

 

単なるフラッシュ・クラッシュとしてマスコミでは片付けられていますが、明らかに

1.年始の日本市場の休場

2.相場の流動性が薄いオセアニア時間

3.ミセスワタナベのドル買いが積み上がっていた

 

事を狙われたミセスワタナベを狙ったストップ狩りでしょう。ボラティリティが小さい米ドル/円でさえ狙われるので、FX入門者や初心者の方は注意が必要です。

 

通常は日本市場が閑散とする新年やゴールデンウィーク、お盆休みに起こることが多いです。この時期にはシカゴIMM通貨先物ポジションやFX会社の売買比率を調べて、もしも買いが大きくなっている通貨があればミセスワタナベ狩りがあると予想することができます。例えばお盆休み前にFX会社が公開している豪ドル/円の売買比率が80%と高くなっている際には売り注文を入れると同時に現在値から100~200pipsほど離れた所に買い戻し注文を入れる、さらに200~300pips離れた所に新規の買い注文を入れるのです。こうすれば損切りされるどころか、大儲けをすることができます。ミセスワタナベ狩りもその構造を理解していまえば悪いものではないのです。

 

ところで、イースターやサンクスギビング、クリスマス休暇の閑散期を狙ってファンドが仕掛けるのはミセスワタナベ狙いではないので、フラッシュクラシュと呼ばれています。

 

FX入門者や初心者の方はシカゴIMM先物ポジションをチェックする習慣をつけましょう。また、口座数国内第1位のDMMFXなどの大手FX会社に口座を開いて売買比率情報で買いポジションが大きく積み上がっていないかをチェックするのもありでしょう。

 

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