炭鉱のカナリア
英語ではcanary in the coal mine(カナリー・イン・ザ・コール・マイン）です。20世紀初頭にスコットランド人の科学者が考えついたアイデアで、ガスや一酸化炭素などの有毒物質を検知してもらうために、鉱山労働者が炭鉱にカナリアを連れて行くようになり名付けられました。
動物が人間よりも敏感で先に苦しみだすので、危険を察知できるという習性を利用したもので、日本では汚染された魚を猫が食べててんかんのような症状で死んだことから、水俣病が確定できたそうです。
地震をナマズが検知するとか、船が沈む前にネズミがいなくなるとか、何か天災が起きる前に動物が姿を消すとか、というのも、こうした人間より敏感な動物の習性が過去から見られたということでしょう。
ここから転じて、相場の世界では、危険を知らせてくれる先行指標を指します。
ビットコインも近年はニューヨークダウなど米国株式の「炭鉱のカナリア」と呼ばれているようですが、より一般的なものとしては恐怖指数とも呼ばれるVIX指数や米国の中小型株から構成されるラッセル2000指数、「ドクターカッパー」と呼ばれる銅が挙げられます。
株式などが崩れてリスクオフとなると、当然「有事の円高」「有事のドル高」となり、為替市場にも影響してきます。日本ではニューヨークダウ平均が下がると翌日に日経225が下落するので円高米ドル安になると言われていました。しかし、近年は有事のドル高もあるので。米ドル/円相場はあまり動きません。クロス円を狙ったほうがよいでしょう。
また、株探のサイトにあるように、日経平均株価への寄与度は東京エレクトロン、ファーストリテイリング、アドテスト代金などのIT企業が中心で、 添付サイトに有るようにNYダウおりも相関関数が0.77のナスダックとより連動しています(NYダウとの相関関数は0.47)。先行指標としてはナスダックを使用するべきだとFX入門者や初心者の方はまず、考えを変えてください。そして、ナスダックよりも、株式ではラッセル2000、商品では銅の価格を追う習慣を身に着けてください。
VIX指数は先行指標とは言われていますが、その日の株価の動きに左右されますし、ビットコインなどの仮想通貨もまだ相関性については不確実なのでおすすめいたしません。
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