FX入門〜初心者におすすめ!ユーロ、ポンド、豪ドルの特徴と比較 、アノマリー

ユーロの特徴概略

 

前回の記事である「FX入門〜初心者におすすめ!円と米ドルの特徴と比較 、アノマリー」では円と米ドルについて詳しく解説しました。FX入門者から初心者から脱出しようとしている方まで相当理解度が深まったのではないでしょうか?

 

今回の「ABSの今井雅人流初心者向けFX入門・始め方と口座比較」講義は、次に重要なユーロ、ポンド、豪ドルについて解説していきます。まずは、ユーロからです。スプレッドの狭さや流通量の多さ、そしてボラティリティがドルを除いた他の外貨よりは安定しているという点から、 入門者や初心者におすすめの外貨です

 

ユーロは、EU(欧州連合)の共通通貨です。英国とスイスを除くドイツ、フランス、イタリア、スペインなど欧州主要国が、ユーロを自国通貨として採用しています。前述のように、アメリカ同時多発テロ事件以降その重要性が高まっており、第二の基軸通貨というべき存在となってきました。低金利のためかつてスワップトレードで人気が高かった豪ドルやニュージーランドドルの魅力が薄れ、FXにおいても相対的にその人気が高まってきています

 

一方、2010年にはギリシャに端を発した経済危機がスペイン、ポルトガル、アイルランドなど欧州他国にも飛び火し、ユーロの信用不安を起こしたのはご存知の方もおられると思います。米ドルに取って代わるには、まだまだ時間がかかるでしょう。

 

ユーロに一番影響を与えるのは主要4カ国、特にドイツ経済の動向!

 

ユーロは主要加盟国であるドイツ、フランス、イタリア、スペインの経済や政治情勢に左右されます。2018年6月には、イタリアの組閣問題に端を発した政治混迷が、世界の株式や為替(FX)市場に動揺を与えました。

 

そうはいっても、平時には、加盟国最大のGDPを有するドイツの状況がユーロに一番の影響を与えています。ユーロ/ドルの為替レート動向を占う際にドイツとアメリカの10年物国債の金利差に注目する為替(FX)市場関係者が多いことは、入門者や初心者の方でも覚えておいても損はないでしょう。

 

ユーロはインフレに敏感で2%を超えると利上げ!

 

最大の特徴としては、インフレになると利上げが実施され、ユーロ高となる傾向があることが挙げられます。その番人であるECB(欧州中央銀行)がインフレファイターと呼ばれ、物価の安定維持を大きな目標としていることに起因します。

 

インフレ率が2%を超えると金融引き締めに動くのが、慣例となっています。2022年初時点ではまさにこのインフレ率が2%を超える可能性がようやく議論され始め、ECBがQEからの出口を探していること(テーパリング)が市場で話題となりました。結果としてその後のユーロの急騰につながったことは、ウクライナ紛争で帳消しになりましたが、覚えておられる方も多いでしょう。

 

季節要因としては、米国同様に12月が年度末となる暦年制度(カレンダーイヤー)を採用しているのでユーロ高が進みそうに思えますが、米国企業の本国への資金還流の額に比べると小さいため、ユーロ/ドルでは米ドル高となる傾向があります。対円では貿易規模もそれ程大きいわけではなく、あまり考えなくてもよいでしょう。

 

ポンドの特徴概略

 

次はポンドです。英国は、18世紀半ば以降20世紀初頭まで、産業革命の開始と北米やインドでのフランスとの覇権争いに勝利したことにより、大英帝国として世界に君臨していました。しかし、1918年に第一次世界大戦に勝利したものの、4年に渡る戦争で国力は疲弊、戦後は債務国に転落してしまいます。結果として、その通貨である英ポンドも、米ドルに基軸通貨としての地位を譲ることとなりました。

 

そうはいっても、英国は現在でもドイツに次ぐ世界で第5位、欧州で第2位のGDPを擁し、1973年のEU加入後もユーロではなく、独自の通貨であり現地ではスターリングと呼ばれる英ポンドを、公式通貨として使用続けています

 

英国経済の中心はサービス業で、日本等と異なり政府はポンド安は望んでいない!

 

英国の経済は製造業中心のドイツや中国、日本とは異なり、金融業を中心とするサービス業がGDPの大半を占めていることが、大きな特徴となっています。

 

製造業の割合が小さいため輸出が減ると困るという要因は小さく、日本のように自国通貨安による輸出促進はあまり必要としていません。ポンド安を政府がそれほど望んでないということは、入門者や初心者の方も覚えておいても損はありません。

 

ポンドは、石油価格やユーロ圏経済状況の影響を受ける!

 

また、英国は北海油田を有する石油輸出国であることを、認識しておく必要があります。石油産出量は世界でも20位ほどで、5本の指に入るカナダほどではありませんが、ポンドは石油価格に為替レートが左右されることとなります。ポンドを取引する際には石油価格をウォッチする必要があります。

 

また、英国の主な貿易相手国はEUのため、ユーロ圏経済状況の影響を受けることとなります。FX入門者や初心者の方はユーロ圏の経済指標も、多少は気にかけたほうがよいでしょう。

 

ポンドはボラティリティーが高いので入門〜初心者は手を出さないように!特にブレグジット問題が収まるまでは!

 

2016年6月には、国民投票によりユーロ圏離脱が決定しました。いわゆるブレグジットと呼ばれるものです。この決定により、ポンド相場は急落しました。そして、2019年3月までの間に、その離脱条件が交渉されることとなりました(実際の離脱は2020年12月)。

 

離脱決定後、ポンド相場はこの離脱交渉の進展のニュースに翻弄されています。ニュースが出るたびに大きく変動するので、十分な警戒が必要です。

 

英ポンドは主要通貨でありその流動性は高いのですが、投機筋が群がる通貨でもあります。そのため、他の主要通貨と異なりボラティリティが高いことが、元々大きな特徴となっていました。

 

その傾向がブレグジット後さらに強まっているので、トレードするのであれば慎重には慎重を期してください。そういうわけで、特にブレグジットが完了する2020年12月までは、FX入門者や初心者の方にはおすすめできませんでした。今後についてもまだその影響がどうなるかは、わかりません。

 

英国は未だに階級差が大きく、上流階級が存在します。そのお仲間が金融の中心であるシティに集まっていて情報が漏れるのか、指標発表の前から変な動きをすることも珍しくありません。そうした際は、触らないことをお勧めします。

 

また、政治家や中央銀行であるBOE(イングランド銀行)関係者の発言も為替レートに影響を与える傾向が顕著あり、一人のBOE委員の発言だけで100pipsほど動くこともあります。こうした理由からもポンドはFX入門者や初心者の方には向いていないということは、理解しておいてください。

 

豪ドルの特徴概略

 

さて、最後に豪ドルについて簡単に触れておきましょう、豪ドルはオーストラリア連邦の公式通貨です。オーストラリアというと、日本では資源国のイメージが強いのですが、実はGDPの大半が金融、不動産などのサービス産業が占めています。鉱業の比率は10%もありません。元宗主国である英国との類似点が強いわけです。

 

ただし、貿易においては鉄鉱石、石炭、LNGなどの燃料が輸出の過半を占めているので、資源国というイメージが出来上がったのでしょう。最大の輸入国が中国であり全体の30%ほどを占めていますが、最大の輸出品である鉄鉱石に限ると、ほとんど中国に依存している状況です。

 

豪ドルは中国経済の影響が大きい!

 

そのため、豪ドルは中国経済の影響を大きく受けます。FX入門者や初心者の方が豪ドルを手がけるのであれば、鉄鉱石の価格を左右する中国の鋼材市況に注意を向けることは必須です。また、鋼材は建材としての需要も多いので、その不動産市況も要注目です。

 

このように、豪ドルは中国経済の影響に左右されることが最大の特徴となっています。為替(FX)市場においては中国経済の悪いニュースが出ると豪ドル安、良いニュースが出ると豪ドル高につながる傾向があります。

 

豪ドルは資源国通貨で特に金価格と相関性がある!

 

また、資源国通貨とみなされているので、資源価格の動きもウォッチしなければなりません。あまり知られてはいないようですが、オーストラリアは中国に次ぐ世界第2位の金産出国です。

 

したがって、金価格と豪ドルには強い相関があります。前述の米ドルのケースとは逆で、金価格が上昇すると豪ドルも上がり、反対に下落すると豪ドルも下がるという傾向があることを、FX入門者や初心者の方も覚えておいてください。

 

オーストラリアはRBAにより歴史的に金利が高く、かつてはスワップポイントを狙ったスワップ取引キャリートレード運用先としてFX入門者や初心者も含む個人投資家の方に人気がありました。しかし近年は金利も1%台となり、その魅力もだいぶ薄れてしまったようです。

 

松田遼司の解説

この11番目の記事では、今井先生はユーロ、ポンドと豪ドルの特徴やアノマリーについて解説されています。

 

まずはユーロですが、2022年版FXの稼ぎ方で解説ましたが、予想通りインフレに耐えきれずにロイターの記事にあるようにラガルド総裁がタカ派に転向し、2月3日にはユーロドルは1.145をつけました。ロイターの別の記事にあるように、CPIが2%どころか、過去最高の5.1%と前月に続けて5%を超えたので当然の結果でした。今井先生の本を読んでおらえる読者の方ならば、12月のCPIが発表になった1月からユーロドルを仕込んでいたならば300pips、このニュースのあとでエントリーしても100pips以上は取れた計算となります。

 

しかし、ウクライナ紛争が勃発すると、地政学リスクにより大きく売られました。ポンドも連れ安したのは、先生の解説にあるユーロ圏経済の影響を受けるという通りの結果です。また、ポンドが当事者であるユーロ以上に動いているのは、先生の仰るようにボラティリティが大きいからで、入門者や初心者におすすめできない理由です。

 

反対に豪ドルはロシアが世界一である天然ガスの輸出国としても存在感が大きいことと、南半球にあり地政学リスクと無縁という2つの理由で、ウクライナ紛争後には大きく上昇しました。特に資源輸入国であり、有事の円高もなくなった円に対する上昇率は1000ピップスに達しました。豪ドル円をロングした方は大きな利益を獲得したことでしょう。影響を大きく受ける中国が全国人民代表大会で成長率を5.5%に引き下げたものの、景気対策を打ち出していることも支えとなったようです。金価格上昇に引っ張られているというのも、今井先生の説明のとおりですね。

 

ウクライナ紛争が続けば豪ドルが強く、解決に向かえばユーロが反転するという流れになるのでしょう。

 

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