FX初心者向け入門・始め方と口座比較

FX入門〜初心者におすすめ!主要・準主要通貨の比較とエマージング通貨のリスク

FXで取引可能な通貨入門

 

今回の「ABSの今井雅人流初心者向けFX入門・始め方と口座比較」では、入門者から脱初心者を目指す方の視点に立ち、できるだけわかりやすく、FXで取引可能な通貨ペアとその仕組みについて述べていきます。

 

FX入門〜初心者はドルから始めるべきと他の外貨投資商品との比較」でも触れましたが、 FXでトレードが可能な通貨ペアは会社によって異なりますが、基本7通貨から20通貨以上までさまざまです。

 

もちろん 米ドル/円 のトレードはすべての会社が扱っています。米ドルは長い間「有事のドル買」といわれるほど基軸通貨としての存在感がありました。基軸通貨とは、世界の投資や貿易などの決済に使用される世界の「基軸」となる通貨という意味です。

 

しかし、ニューヨーク同時多発テロ以降、基軸通貨をドルだけに頼るよりも他国通貨に分散したほうがよいという流れができたのも確かです。米ドルの資金が一部ユーロに移行する動きも起こっています。そのため、ユーロは米ドルに次ぐ基軸通貨としてFX投資家の間で人気が高まっており 、ユーロ/円の取引も増えています

 

欧州の通貨である ポンドやスイスフランは、そこそこFX投資家に人気があり 、豪ドルやニュージーランドドルも、かつては高金利通貨として親しまれていました

 

また、円を介さない外貨ペアのトレードができるのも、FXの特徴です。海外ではメジャーなユーロ/ドル、ポンド/ドル などの通貨ペアをほぼ全ての会社が扱っています。近年では会社比較の基準として、いかに多くの通貨ペアを扱うかという指標も比較サイトでよく取り上げられているほどです。

 

主要通貨であるドルと円については「FX入門〜初心者におすすめ!円と米ドルの特徴と比較 、アノマリー」で、ユーロ、ポンド、豪ドルについては「FX入門・初心者必見!ユーロ、ポンド、豪ドルの特徴と比較 、アノマリー」で別途詳しく解説していますので、入門者の方や初心者の方は是非ご参照ください

 

FXで取引できる通貨は規模などにより 、大きく4つのグループに分けることができます。1.主要通貨、2.準主要通貨、3.エマージング通貨、4.その他通貨です。

 

主要通貨と準主要通貨の比較と違い

 

主要通貨と準主要通貨は、いわゆる先進国の通貨です。世界中で取引 されているので、取引量が多く、動きも比較的安定しています。外為投資に向いている通貨と言えるでしょう 。

 

主要通貨と準主要通貨の大きな違いは、取引量です 。たとえば、ニュージーランドドルの取引量は豪ドルの50 分の1程度しかありませんそのため、準主要通貨に大きな投機資金が入ると レートが急変動するので、注意が必要です。入門者や初心者の方は特に気をつけてください

 

エマージング通貨やその他通貨とそのトレードリスク

 

一方、エマージング通貨は急成長しているエマージング市場と呼ばれる国々の通貨です。トレードはできるものの取引量が極端に 少ないので、大きく動き出すと止まらなくなることもあります

 

東南アジア 、アルゼンチン、トルコなどは過去に通貨危機を経験しています。通貨危機になると突然数10%も価値が下がることもあるのでFX投資をする際は細心の準備が必要です。従って、入門者や初心者の方にはおすすめできません。

 

その他通貨は、発展途上国や共産主義国の通貨です。通貨取引を自由にしてしまうと経済が不安定になるため、いろいろとトレードが規制されています。残念ながら、中級者や上級者にさえあまり推奨できません

 

取引量別通貨一覧

図20 取引量別通貨一覧

金利による通貨比較と景気が悪いのに金利が高い国の通貨のリスク

 

通貨を、金利が高いか低いかという点で、分けることもできます。金利差は個人投資家のみなさんに とっても興味のある ポイントだと思いますので、簡単に説明しておきます 。

 

景気がよい国の通貨は、概して金利が高くなります景気がよいとモノがよく売れるので通常はその値段が上がり、インフレになります。すると、中央銀行は金利を上げて資金供給を減らし、 インフレを抑えようとします

 

逆に景気が悪いとモノが売れず物価が下落し、デフレになります 。中央銀行は金利を下げ資金を市場に潤沢に供給することで 景気を刺激し、モノの値段を上げようとします。近年の日本は10年以上もこの状況が続いています。

 

ただし、景気が悪いのにも関わらず、モノの値段がどんどん上昇してしまうケースもありますこれをスタグフレーションといいます景気が悪く給料も上がらない のにモノの値段が上がっては、生活が大変です。したがって、この場合も中央銀行は金利を上げモノの値段を下げようとします

 

また、外国からの投資がないと経済発展を見込めない 国は、資金を集めるために 多少無理をしても金利を高く維持しよう とします。信用度が低い人は高い金利を払わないと借金をできないのと同じ原理です。

 

通常は 、景気のよい 国の通貨の金利は高く悪い国のそれ は低いので、金利の高い通貨に投資していれば安心です。しかし、景気がよくないのに仕方なく金利を高くしている国の通貨には、注意が必要です 。FX入門者や初心者の方は特に気をつけてください。

 

日本はマイナス金利なので、分散投資としてFXなどの外国為替商品は必要

 

現在 、主要通貨と準主要通貨の中で比較的金利が高いと言えるのはせいぜいニュージーランドドル(1%)と英ポンド(0.75%)ぐらい(2022年4月時点) ですが、景気も悪くはないので 安心感があります。

 

一方 高金利でも、エマージング通貨である南アフリカ・ランドトルコ・リラ などは、景気以外の理由で金利が高い通貨です。FX投資をする際は慎重を期したほうがよい でしょう。

 

なお日本は景気は持ち直しつつありますが、物価があまり上がっていないのと黒田総裁の方針により、金利はずっと低いままです。当面上がる可能性は低いので、やはり他国への投資を考えるべきでしょう。

 

従って、FXは外国株や外国投資信託などと並び、分散投資の一環として考慮するに値するといえるのではないでしょうか?

松田遼司の解説

この9番目の記事では、今井先生は主要通貨と準主要通貨、エマージング通貨の違いについて解説されています。まず、FX会社で取引できる通貨ペアについて述べられています。取引できる通貨ペアの数は会社によって大きく異なるのですが、入門者や初心者の方は米ドルなどの主要通貨以外をトレードすることはないでしょうから、どの会社を選んでも同じです。

 

驚いたのは、主要通貨と準主要通貨の違いですね。ニュージーランドドルの取引量が豪ドルの50分の1しかないとは、知りませんでした。こうした準主要通貨や英ポンドはボラティリティが大きいので、入門者や初心者の方は米ドルやユーロから始めるのがいいということになります。

 

そして、初心者が手を出してはいけないのが、トルコリラや南アフリカランドなどのエマージング通貨です。多くの初心者の方が過去5年にトルコリラに手を出したおかげで退場させられてきたのを目にしてきました。2021年にも暴落したのは記憶に新しいでしょう。これらの通貨の取引は投資というよりも投機になるので、中長期での底を狙う以外はおすすめできません

 

現在は長いデフレが終わり、インフレが進行しつつあります。日本の場合は経済成長が伴わないのでスタグフレーションの懸念もあります。4月からの一斉値上げを前に既に物価高の感覚しかなったのにデフレだと言い張る政府の統計は信頼できるのでしょうか?

 

政策金利も米国は5月から0.5%の利上げを3回連続して行い、年末には2.5%になることまで市場は折り込みました。一方の日本は財務大臣は円安警戒発言を繰り返し、岸田首相も「悪い円安」という言葉を使用していますが、肝心の黒田総裁がスピードが早すぎるが金融政策に変更はないと発言、ロイターの記事にあるように4月20日には米ドル円相場は20年ぶりの129円台に突入しました。GWにはミセスワタナベ刈りもあるかもしれないので警戒が必要ですが、GW後には再び円安の流れになりそうです。米ドル円/を中心にクロス円を持っていればよいのではないでしょうか?

 

 

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