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起業・スタートアップのための
シリコンバレーの企業紹介 DeepMind (ディープマインド)2

2020/12/04

アタッカーズ・ビジネススクールのスタートアップを目指すシニア・女性等への起業のアイデアとなるシリコンバレーの注目企業紹介のコラム。今回は前回に続いて、AI企業のDeepMind(ディープマインド)について、将来の起業家・アントレプレナーであるみなさんと共に、さらに見ていきましょう。

起業家・アントレプレナー注目!DeepMind(ディープマインド)はヘルスケア分野にも注力している!

前回ご紹介した「AlphaGo」のようなエンタメ系だけではなく、DeepMind(ディープマインド)はヘルスケア分野にも力をいれています。

2015年には無料で医療を提供するイギリスの国民保険サービスNHSとクリニカルテスト・マネージメント用のアプリの共同開発で合意しています。

2016年には「AIphaFold」という遺伝子配列から、タンパク質の3次元構造形成プロセスという未知の世界を解明し、新薬の開発につなげるというような、バイオ分野の研究を開始すると発表しました。

2018年には43のタンパク質のうち25の正確な構造を解明したことで、1994 年から隔年で開催されている世界規模のタンパク質の構造を予測するプロジェクトCASPを受賞しました。毎回世界中から100以上の研究機関が参加するこの分野で最も優秀な機関を決定するコンテストであり、画期的な偉業だとのことです。

現在世界中がパンデミックの中にある新型コロナウイルスについても、このAIphaFoldを使用してその正体を解明しようとしているそうです。

タンパク質の構造解析の他にも、唯一白目まで観察できる世界最大の眼底カメラ企業Optos社から提供される膨大な患者データからパターンを見出し、白目に発生する糖尿用網膜性を初期の段階で発見するプロジェクトは以前にご紹介しました。

ロンドン大学病院とは2016年に頭頸部における健常体細胞と癌細胞を区別するアルゴリズムを共同開発すると発表しています。

NHSとの電子カルテとリンクしたモバイルアプリの開発もあります。患者のデータにこのアプリで簡単にアクセスできることは、膨大な時間の節約と患者の様態を知るための画期的な差別化につながったと医療関係者から絶賛されているそうです。

日本でもぜひとも実現してもらいたいものですよね。

2017年には、英国がん研究センターと乳がん検査のマンモグラフィーにマシーンラーニングを応用し、乳がんの発見率を上げると発表しました。

マンモグラフィーは検査が痛くて苦痛を伴うにも関わらず、その検知率が正確さに欠けるとあまり評判がよくありまえん。低侵襲の新しい技術がアンメットメディカル・ニーズとして求められています。筆者も、前々職では乳がんを早期発見するあるプロジェクトに携わっていたことがあります。ゲームの世界で大成功を収めたこの技術がマンモグラフィーの性能を高めることができれば、素晴らしいことですよね。

他にもアメリカの医療機関との腎臓検査プロジェクトなどがありますが、割愛させて頂きます。

起業・スタートアップを目指す方必見!DeepMind(ディープマインド)のニューラル・チューリング・マシーンとは?

それ以外では、2016年にテキストを音声に変換する音声合成システムの「WaveNet」を発表しています。2018年に発表されたGoogleAIと共同開発された改良版の「WaveRNN」は、2019年にビデオチャットアプリの「Google Duo 」に採用されました。

そして、コンピュータの原型にあたるチューリング・マシーンという概念を模範とした2014年に発表された研究を元にした、外部記憶装置とプログラム可能なコンピュータを内蔵したニューラル・ネットワークであるニューラル・チューリングマシーンを作成しています。この機械は、人間の脳の短期間の記憶を真似することができると期待されているそうです。

チューリング・マシーンを発明したアラン・チューリングに関しては、第2次世界大戦中にドイツ海軍の暗号エニグマを解読したことで連合軍を勝利に導いたというキーラ・ナイトレイがヒロイン役の自伝的映画『イミテーション・ゲーム』があるので、起業・スタートアップを目標としている閲覧者の方も、ぜひご鑑賞ください。

起業家・アントレプレナー注目!DeepMind(ディープマインド)のアルファベットの他子会社への貢献のまとめと、その影響力の大きさ

DeepMind(ディープマインド)のAI技術はAlphabet(アルファベット)の子会社の発展大きく貢献しています。

上記のようなヘルスケア分野での活躍で、Alphabet(アルファベット)のヘルスケア分野の子会社Verily(ベリリー)がDeepMind(ディープマインド)の支援でいかに助けられているかについては、起業家・アントレプレナーを目標とされている読者には十分ご理解頂けたのではないでしょうか?

Verily(ベリリー)以外にも、今までご紹介してきたAlphabet(アルファベット)の子会社は、そのほとんどがDeepMind(ディープマインド)のAI技術に助けられています

Waymo(ウェイモ)は自動運転によるビッグデータの収集とディープラーニング技術での自動運転認識精度を高めており、気球による移動体通信のLoon(ルーン)はAIを使用して季節や高度により変化する気流の流れを予測してその位置を安定的に保っており、宅配ドローンサービスのWing(ウイング)はマシンラーニング技術を用いて、樹木やビルや電線などの障害物を避けて安全で便利な場所を探し出しているのです。

また、DeepMind(ディープマインド)はAlphabet(アルファベット)の歴史そのものであり収益の柱であるグーグルにも貢献しています。

上述の音声合成システム「WaveNet」の技術は、スマホやスマートスピーカで使用される音声アシスタント機能であるGoogleアシスタント」として採用されています。

グーグルのモバイル向けOSアンドロイドの2018年に発表された9代目の「アンドロイド・パイ」は、アダプティブ・ブライトネスやアダプティブ・バッテリーなどのユーザの使用頻度にあった自動調整機能が特徴的でした。これも、DeepMind(ディープマインド)のマシンラーニング機能を応用したものだそうです。

DeepMind(ディープマインド)を買収していなかったら、現在のAlphabet(アルファベット)の、自動運転を始めあらゆる分野での優位は、確立していなかったといっても過言ではないでしょう!

起業・スタートアップのために努力されているみなさんにも、Alphabet(アルファベット)の子会社を解説していればシリコン・バレーの現状について理解できる理由とは、DeepMind(ディープマインド)の存在があったからだとわかっていただけたのではないでしょうか?

次回は光線によるインターネット接続を目指すGoogle Contact lens(グーグルコンタクトレンズ)について解説します。

著者:ポッシュF
東京大学卒業後、世界のトップ20に入るアイビー・リーグのMBA修了。外資系IT企業のアナリスト、エグゼクティブ、Web社長等を歴任。3度起業し、2度のエグジットに成功している。
FX業界の重鎮である今井雅人氏の5冊の著書を再構成・無料公開した「FX初心者の資産形成・運用向け今井流FX入門・始め方と口座比較」の講義解説者でもあり、今井氏と並ぶトップFXアナリストの西原宏一氏につけられたあだ名がポッシュ。FはFXのF。