• ホーム
  • 海外企業紹介
  • 起業・スタートアップのためのシリコンバレーの企業紹介 Nest Labs (ネストラボ)2

起業・スタートアップのための
シリコンバレーの企業紹介 Nest Labs (ネストラボ)2

2020/11/27

アタッカーズ・ビジネススクールのスタートアップを目指すシニア・女性等への起業のアイデアとなるシリコンバレーの注目企業紹介のコラム。前回はNest Labs(ネストラボ)の沿革と商品ラインアップについて将来の起業家・アントレプレナーであるみなさんに解説しました。今回はNest Labs(ネストラボ)のプロズとコンズ分析をしてみましょう。

起業家・アントレプレナー注目!Nest Thermostat(ネストサーモスタット)のPros.とCons.とは?

まずはゲームチェンジャであったNest Labs(ネストラボ)の扱うスマート・サーモスタットであるNest Thermostat(ネストサーモスタット)についてみていきましょう。

メリットとしては、まず省エネが挙げられます。

暖房や冷房などについて、今までのサーモスタットでは、プログラム化されていませんでした。外出時に消して、寒くなったり暑くなるとつけるわけですが、こうした習慣や気象データをAIでプログラム化することでエネルギーの消費量を減らすという理論です。

年間で約150ドルの電気代が節約できるとのことですが、米国は日本と比べて電気代が半分以下ですので2ヶ月分ほどにあたると思います。

現状は化石燃料が主ですから、間接的に地球温暖化の防止にもつながることになります。

さらに、Nest Thermostat(ネストサーモスタット)があればいつも快適な気温で過ごすという経験ができるのです。

Nest Thermostat(ネストサーモスタット)はマシーン・ラーニングシステムと自己学習機能で購入家庭の最初の1週間のスケジュールを把握し、何時に何度の温度の設定しているのかという関連データを取ります。さらに、ネットワーク接続による内蔵センサーとスマホの位置から屋外にいる場合には自動的にエコモードとなります。そして天気予報と連動し、朝が普段より寒ければ早く、暖かければ遅く作動するようにAIが調節してくれるのです。

朝目覚ましが鳴って目が覚めたけれど部屋が寒くてベッドから出られないという経験は、誰もがおありでしょう。Nest Thermostat(ネストサーモスタット)は起床時間に合わせて部屋の気温を調整してくれるので、こうした思いはしなくてすむそうです。まるでSF映画に出てくる未来の話のようですよね?

さらなる長所は、そのデザインの美しさです。筆者はM.B.A留学前からこのデザインによる経済の発展を考えていたわけですから、冷蔵庫などを除くと家にある家電はほとんどが、デザイン性の高い海外製のものです。欧州と異なり、デザインに関心の薄かった米国人が、デザインを重視するようになったのは、素晴らしいことだと思います。

デザイン重視といえばアップル製品が思い浮かびますが、実はファデル氏はアップルでiPod部門を統括していました。アップルでの経験により、デザインが重要だと考えるようになったのでしょう。

さらに、インターネットに接続されればバグを除去し、パフォーマンスを改善してくれるプログラム機能もあります。

デメリットは、残念ながら、Nest Thermostat(ネストサーモスタットはすべての地域で使えるわけではないということです。国によって基準が異なるためです。

セントラル・ヒーティングシステムを基本的には使用していない日本では、使用できる施設はホテルなどに限定されることになるでしょう。

また、米国とカナダの郵便番号を元に気象情報を得ているので、その他の地域ではうまくソフトウェアが作動しないという問題があるそうです。

いずれにしろ従来のサーモスタットと比較しての欠点は、あまり見当たりません。Nest Thermostat(ネストサーモスタット)が世界各国で人気となったのも頷けますよね。

起業・スタートアップを目指す方必見!Nest Protect(ネストプロテクト)のPros.とCons.とは?

煙探知機のNest protect(ネストプロテクト)のメリットとしては、まずは、誤った警報を少なくできることです。起業家・アントレプレナーを目指されている閲覧者の方も、煙探知機の誤動作で火事のサイレンが鳴ったけれど実は違ったという経験がおありだと思います。2種類のセンサーが誤動作を防いでくれるそうです。

また、キッチンで煮物を作っていることをお風呂で疲れて寝てしまい忘れてしまったとか、そうしたミスもNest protect(ネストプロテクト)が自動的にスイッチをオフにすることで防いでくれるそうです。

Nest protect (ネストプロテクト)が警報を出すとDropcam(ドロップキャムの監視カメラが自動的に録画を開始し、Nest Thermostat(ネストサーモスタット)と連動し、キッチンレンジをオフにしてくれるからです。

デザインもやはり素晴らしく、通常は水色の丸いスイッチの周囲のリングが警告では黄色に、警報が鳴る際には赤く、人が通ると白く変化するそうです。

デメリットは特に見当たりませんでした。

起業家・アントレプレナー注目!日本での導入はどうなる?

日本でもNest Labs(ネストラボ)の製品が使えるようになると一気にIoTが身近になると思うのですが、残念ながらセントラル・ヒーティングシステムではなく主力製品のNest Thermostat(ネストサーモスタット)が使用できない日本に導入されることはないような気がします。

Nest Hub(ネストハブ)というスマートディプレイやNext Mini(ネストミニ)というスマートスピーカーは日本でも発売されているようですが、実はこれらはNest Labs(ネストラボ)ではなく従来のグーグルの商品です。

以前にグーグルの解説で紹介したE-A-T(Expert, Authority, Trustworthinessの略で権威のある専門家が書いた信頼できる引用を多用した記事が検索結果の上位に来る)も医療分野以外は全く進展が見られていません

日本はある意味Googleから見捨てられているのかもしれないのです。あまりにガラパゴスなので仕方がないのかもしれませんが、IoTなども言葉として知るだけではなく実際に自分で使用してみないとその素晴らしさの実感が沸かないでしょう。起業・スタートアップを目指す方には特に経験していただきたいのですが….。

この連載ももう30回となりましたが、日本はこのままでは世界から取り残されてしまうのではと危機感を抱いているのは筆者だけでしょうか?

次回からはDeepMind(ディープマインド)について解説していきます。

著者:ポッシュF
東京大学卒業後、世界のトップ20に入るアイビー・リーグのMBA修了。外資系IT企業のアナリスト、エグゼクティブ、Web社長等を歴任。3度起業し、2度のエグジットに成功している。
FX業界の重鎮である今井雅人氏の5冊の著書を再構成・無料公開した「FX初心者の資産形成・運用向け今井流FX入門・始め方と口座比較」の講義解説者でもあり、今井氏と並ぶトップFXアナリストの西原宏一氏につけられたあだ名がポッシュ。FはFXのF。