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起業・スタートアップのための
シリコンバレー等の注目企業紹介 SRI International 4シニア・女性・学生の起業でも注目のスタートアップ

2020/07/30

アタッカーズビジネススクールの、スタートアップを目指すシニア・女性・若年層にとっても起業のアイデアとなるシリコンバレー等の注目企業紹介のコラム。

今回はSRI Internationalにみる産学連携の成功の秘訣、ベンチャー企業輩出において日本と米国と何故差がついてしまったかについて考えてみましょう。

起業家・アントレプレナー注目!SRIとベンチャー企業とは世の中の役に立つ製品をローンチするという真の産学連携を行ってきた!

前回はSRI Internationalが開発した製品として、PCのマウス、携帯電話、インターネット、LCD、Siri、da Vinciについて紹介しました。

そのマウスを一番積極的に取り入れ、Siriを採用した企業はアップルです。そして、携帯電話を製品化したのは、かつてはGEなどと並びエクセレント・カンパニーの1つとされていたモトローラです。

このSRIのような研究機関や大学と企業が連携し、基礎研究の成果を製品として実用化してきたという事実が、GAFAを始めとするシリコンバレーのベンチャー企業が自前の大きな基礎研究所を持つ日本の大企業を追い抜いてしまった最も大きな理由と言っても差し支えないでしょう!

起業・スタートアップを目指す方必見!米国と比べた日本の研究機関やサラリーマン社会の問題点は、モティベーションよりも妬みが支配している事!

日本の研究機関の問題点は、基礎研究と製品開発との間に大きなギャップがあることです。

理研も産総研も、産学協同や、自社の特許や知財から生まれたベンチャー企業を支援する体制を整えていますが、残念ながら上場企業がそれぞれ1社ずつという状況である事実は、既に紹介したとおりです。

どなたでも使われているようなマウスや携帯電話などの製品は、私の知っている限りでは存在しないと思われます。前述の、現在は産総研に在籍されているリチウムイオン電池の研究で2019年のノーベル化学賞を受賞された吉野氏も、旭化成のご出身です。

名ばかりの体制を整えるだけではなく、研究機関と企業との共同研究や事業化による産学連携を積極的に促進していく仕組み作りが日本では必要なのではないでしょうか?そして、物質的な体制ではなく精神的な体制の変化がより重要だと思われます。

SRI Internationalの例を参考にしますと、具体的には、研究者を縛り付けずにその起業を積極的に認め、該当技術に興味のある企業とマッチングさせ、スピンアウトを促進させる。

そして、ここが更に重要なわけですが、スタートアップ企業のストックオプションをスピンアウトした研究者だけでなく、研究機関自体やスピンアウトに携わった研究機関に残った従業員に付与するなどが考えられます。

こうしたWin-Winの体制を整えていかないと、モティベーションも湧いてこないのではないでしょうか?

また、ご自分よりも能力や年齢が下だと思っている同僚が、スピンアウトすることにより、成功した場合には巨額の資産となるストックオプションを持つことに妬みを持つのが、日本企業のサラリーマン意識です。研究機関からのスピンアウトを加速化するためには、機関に残る関与した従業員にも柔軟にストックオプションを付与することで、徐々にこうした妬みの意識を根絶することも必須でしょう。

現在の日本の研究機関や会社社会は、モチベーションではなく妬みが支配する、Lose-Loseの世界になっています。

ここで、米国の2017年の学生に人気のトップ25企業ランキングをみてみましょう。

彼等が目指すのはウォール街を代表する投資銀行やコンサルティングファーム、そしてGAFAやテスラなどのベンチャー企業です。投資銀行やコンサルは同じですが、30年前のランキングには、前述のモトローラやIBM、GE、コダックなどのエクセレントカンパニーと呼ばれた大企業が上位に入っていました。全く顔ぶれが異なるわけです。

しかし新しい年号である令和が始まった日本では、2020年の大学生の就職希望企業ランキングには、商社、銀行、損保、メーカーなどの大企業が並んでいます。20年〜30年前の平成元年から10年文系就職ランキング理系就職ランキングと比較してもほとんど顔ぶれが変わっていないことに驚かれるのではないでしょうか?

このように起業家精神が旺盛でリスク・テイクな米国人と、公務員が人気でますますリスク・アバースになってきた日本人という国民性の違いもあると思います。

しかし、起業を後押しする制度や文化を含めた土壌が育っていないことが1番の原因なのではないでしょうか?

是非ともこれから起業・スタートアップされるみなさんの力で、日本の現状を変革して頂きたいと願っています。

次回はda Vinciを製品化したIntuitive Surgical社について紹介していきたいと思います。