副業・起業のためのシリコンバレーの企業紹介
ツイッチ(Twitch)

2021/08/16

アタッカーズ・ビジネススクールの、投資・副業・起業を目指すミレニアル世代・シニア・女性等への起業のアイデアとなる、シリコンバレー等の注目企業紹介のコラム。今回はツイッチ(Twitch)について、将来の起業家・アントレプレナーであるシニア・女性・ミレニアル世代のみなさんと共に見ていきましょう。

投資・起業・スタートアップを目指す方必見!eスポーツとツイッチ(Twitch)の概要

ツイッチ(Twitch)は、同名の世界最大のライブ動画配信企業です。本社はサンフランシスコのファイナンシャル・ディストリクトにあります。ゲーム専門なのですが、視聴者数はYouTubeライブなどの同業他社を遥かにしのいでいます。ウィキペディアによると2019年時点で、コンピューターゲームの競技大会であるeスポーツの視聴者は4億人、プロ選手は10万人を越えています。それだけ海外では、高い人気を誇っているわけです。ただし、属性は男性が85%、10代と20代が大半を占めており、偏りが目立ちますが。

このeスポーツの日本人からすると異常ともいえる人気のため、ツイッチ(Twitch)はYouTubeのライブ配信であるYouTubeライブをも全く寄せ付けない人気となっているわけです。総視聴時間のシェアでは、ツイッチ(Twitch)が全体の半分以上を占めています。アメリカだけでなくアジアにも人気が広がり、アジア版オリンピックである2022年のアジア大会では、eスポーツが正式種目として認められたそうです。

eスポーツでは、通常インターネットを経由して相手と対戦をします。高額の賞金がかかった大会などのイベントだけでなく、人気プレイヤーの通常の対戦にも多くの視聴者が集まります。こうした対戦は毎日のように行われ、ファンの間ではお気に入りのプレイヤの対戦を観戦するのが日課となっているのです。そのため、ゲームのライブ配信だけが大人気となったわけです。

ツイッチ(Twitch)は、2018年時点で、全ゲーム合計で3億5,600万時間も視聴されているそうです。1,400万人ものフォロワーがいる「ninja」というゲーマーが一番人気で、2019年にはマイクロソフトが運営する「Mixers」に移籍したそうですが2020年7月に「Mixers」が運営を中止し、現在は再びツイッチ(Twitch)に戻ってきたそうです。

筆者は前職でライブ・ストリーミング機器の会社のパーシャルM&Aをてがけて成功させた経験があり、その際にこの業界については多くの英文資料を読んだので、ツイッチ(Twitch)については当時から知っていました。ライブ配信というと、日本では音楽のライブ配信が主流という認識だったのですが、米国での実情は全く異なっていたのです。1番人気はゲーム、2番人気は教会の牧師の説教だったのです。アメリカでも信仰心が薄くなってきたため、日曜に教会に通う人が少なくなってきたので、自宅で説教を聴けるようにしたというのがその理由でした。

起業家・アントレプレナー注目!ツイッチ(Twitch)の沿革とその商品とは?

ツイッチ(Twitch)は、2007年に始まったライブ配信会社JustinTVが元となっています。JustinTVにはいくつかのカテゴリがありましたが、音楽のライブ配信が主流になるという予想に反し、ゲームが突出していたので、スピンアウトを計画します。2011年にゲームに特化したライブ・ストリーミング・サービスとして独立し、ツイッチ(Twitch)と名付けられました。副業・起業・スタートアップを目指す閲覧者の方には、起業アドバイスで解説したように、ビジネス・モデルの変更が重要なのだと再認識して頂きたいです。音楽のライブ配信に固執していたならば、YouTube LiveやFacebook Liveのような大手に勝つことはできなかったでしょう。

2012年には約15億円を、13年には約20億円を調達します。同年に競合のOwn3rdTVがクローズすると、独占的な地位を手に入れます。未来の起業家・アントレプレナーには、このように運が重要なのだと理解していただきたいです。

2013年には4,500万人の視聴者を獲得し、2014年にはネットフリックス、グーグル、アップルに次ぎ利用数が第4位となりました。そして同年、約1,000億円でアマゾンが買収し、ツイッチ(Twitch)に社名を変更します。

2015年には月ベースでの配信者は150万人、視聴者数は1億人に達しました。

2016年にはbitsという好みのプレイヤーを応援するための独自通貨を発行し、アマゾン・プライム会員は広告無しで利用できるツイッチ(Twitch)プライムを開始しました。同年には「ワールド・オブ・ウォークラフト」や「ワールド・オブ・タンク」やゲーム専用のウィキペディアである「ゲームペディア」、ゲーム内でチャットできる「Curse Voice」を運営するオンラインゲームサイトの「Curse」を買収し、ゲーム総合企業となりました。2017年にはサイト内にゲームショップを開設します。同年には「ウォーククラフト」や「オーバーウォッチ」で知られる「ブリザード・エンターテインメント」、2018年には「オーバーウォッチ」の国際的eスポーツリーグの「オーバーウォッチ・リーグ」と提携、2年契約で独自のeスポーツ大会を開催しました。

同年にはアマゾンプライム会員への特典を廃止し、「Twitch Turbo」という独自プログラムへの参加を促進させました。独占企業ならではの、強気な姿勢です。2019年には映画の「IMDb」にあたる「Internet Game Detabase」を買収し、好みのゲームを検索しやすくしました。

ツイッチ(Twitch)の人気は、ビデオゲームとライブ配信体験が融合した、独自の世界を創出しているからだそうです。ゲーマーは好きな時に配信して自分の技を見せられるのですが、それを観たい視聴者が日本の人口と同じぐらい存在しているわけです。日本にいると想像しにくいですよね?

スポッティファイなどと同様に、無料版と広告なしの有料版があります。PC版だけでなくモバイル版もあります。上述のように大会だけでなく普段の対戦も配信されており、ライブだけでなくYouTubeのような録画されたものもあります。

「Fornite」や「リーグ・オブ・レジェンド」などのゲーム名や「ninja」などのプレイヤー名で検索できます。好きなゲーマーができたら、お気にいりに入れてフォローが可能です。

画面では対戦しているゲーマー2人が今まさに見ている画面が見られる他、小さな四隅にある画面ではゲーマーの姿も見られ、彼等の声も聞こえるので、ライブ会場にいるような臨場感があるそうです。視聴者は観戦中にコメントができ、対戦によっては提案や質問もできるとのことです。iOSとアンドロイドアプリも公開しており、モバイルで、いつでもどこでも楽しめます。

お気に入りのゲーマーを応援するためのサブスク・プランも用意されています。Emoteという特別の絵文字で応援ができ、チャットバッジで応援しているのは自分だとアピールできるそうです。人気プレイヤーはAKBのようなアイドル的存在のようです。

ツイッチ(Twitch)も、属性がゲームと若い男性に偏っていることを憂慮しているようで、2013年には「サンディエゴ・コミック・コンテスト」の配信を開始、2014年にはスペインのイビザ島でのエレクトロニック・ミュージックのレイブ・イベント、2015年には「ウルトラミュージックフェスティバル」を配信しました。2016年にはかつて日本でも一世を風靡した「フード・ファイター」のようなイベント、2018年にはアメリカンフットボールのプロリーグであるNFLの「サーズデイ・フットボール」、2019年にはプロレス、20年にはイギリスの「プレミアリーグ」のサッカーの配信も開始しました。アニメ、音楽、ワイドショー、スポーツにもユーザー層を広げたいということなのでしょう。

女性ファンを増やすために、女性リーグのホッケーやサッカーのライブ配信も開始したそうです。現在はトークショーや音楽、旅行、グルメなどの配信に力をいれています。近年物議を醸しているリアルライフ物もあるようです。

日本でも今後ゲームのライブ配信の人気が高まってくると想定されます。副業・起業・スタートアップを目指す閲覧者の方は、この分野での起業も検討されてはいかがでしょうか?

著者:ポッシュF
東京大学卒業後、世界のトップ20に入るアイビー・リーグのMBA修了。外資系IT企業のアナリスト、エグゼクティブ、Web社長等を歴任。3度起業し、2度のエグジットに成功している。
FX業界の重鎮である今井雅人氏の5冊の著書を再構成・無料公開した「FX初心者の資産形成・運用向け今井流FX入門・始め方と口座比較」の講義解説者でもあり、今井氏と並ぶトップFXアナリストの西原宏一氏につけられたあだ名がポッシュ。FはFXのF。