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起業・スタートアップのための
シリコンバレーの企業紹介 グーグルコンタクトレンズ

2020/12/07

アタッカーズ・ビジネススクールのスタートアップを目指すシニア・女性等への起業のアイデアとなるシリコンバレーの注目企業紹介のコラム。今回はGoogle Contact Lens(グーグル・コンタクト・レンズ)について、将来の起業家・アントレプレナーであるみなさんと共に、見ていきましょう。

起業家・アントレプレナー注目!Google Contact Lens(グーグル・コンタクト・レンズ)とは?

Google Contact Lens(グーグル・コンタクト・レンズ)はX社の医療用スマート・コンタクトレンズ・プロジェクトです。当初は3大疾患病の一つである糖尿病患者の体調のモニタリングを目的として開発されました。

このアイデアはワシントン大学の2人の電子工学の教授により生み出され、まずはNSFから資金提供を受け、マイクロソフト社に持ち込まれました。その後X(グーグルX)社が採用し、以前ご紹介したアルファベットのヘルスケア子会社のVerily(ベリリー)社に移管されました。

Verily(ベリリー)社は2014年に、プロトタイプを使用したテストが過去18ヶ月間実施されていたと、発表されました。さらに、大手製薬会社ノバルティスの子会社で眼科用手術機器やコンタクトレンズの大手のアルコン社との提携を発表しました。

無線半導体と血糖値測定センサを内蔵したこのスマート・コンタクトレンズを患者が装着すれば、涙から血糖値を測定できる、というコンセプトです。

半導体とセンサは2つのの柔らかい層の間に、配線部も瞳や虹彩の外側に置かれており、眼の機能へのダメージがないように設計されていました。髪の毛よりも細い、レンズに装着された無線アンテナ兼コントローラが、収集・認識・解析した情報を、外部の無線機器へと送付するのです。電源は外部の無線機器からRFIDという無線技術で送電されていました。

血糖値があるレベルまで上昇すると小さなLEDライトが点灯し注意を喚起する、というコンセプトも考えられていたとのことです。試作品は1秒に1回の読み取りを行うことができました。

しかし、2018年には開発が中止となってしまいました。体液から血糖値を測定することは科学者が長く研究してきたことですが、微量の涙から正確な血糖値を測定するのは困難というのが理由でした。現在は米国の医療法規を担当するFDAとプロジェクトの今後について討議しているとのことです。また、この技術を使用するパートナーを探しているそうです。アンメット・メディカル・ニーズを解決する機器となることが期待されています。

起業・スタートアップを目指す方必見!Google Contact Lens(グーグル・コンタクト・レンズ)の今後は?

この機器の、無痛で簡単に血糖値を測定できるというアイデア自体は、素晴らしいものでした。指からの一滴の血で血液検査ができると宣言し、その美人CEOと共に一時シリコンバレーで話題となったセラノスを想起させました。

しかし、結局セラノスは、微量の血液では診断が不十分と評価されてしまい、会社は解散されることになりました。解散されたのが2018年でしたので、その影響もあったのかもしれませんね。

こうした状況下で、面白いニュースが飛び込んできました。このスマート・コンタクトレンズに、好評だったのにも関わらず一般向け発売が禁止になったGoogle Glass(グーグル・グラス)の技術を転用しようというものです。

メガネであるGoogle Glass(グーグル・グラス)でも素晴らしいアイデアだと思いましたが、視線と眼球の動きをそのままに撮影できるカメラや動画カメラが発売されたら、まさしくゲーム・チェンジャーとなるでしょう!技術的な問題がクリアーになったたとしても、やはりGoogle Glass(グーグル・グラス)と同様に、プライバシー問題は避けて通れない可能性が高いのではと推察されます

医療分野でもこのスマート・コンタクトレンズのアイデアは、世界中の眼科医の関心をひいたようです。糖尿病では無理だとしても、他の目の病気の診断に使えないかということです。ドライアイやアレルギー、円錐角膜などの診断に使えるのではと考え始めているそうです。

また、VRやARのゴーグルの代わりに使用し、眼を向けるだけで正確な方向を示すことで、手術やドライブなどに適用しようというアイデアもあるようです。

こうした様々なアイデアが集まれば、スマート・コンタクトレンズの新たな用途が見つかるのではと期待されています。起業・スタートアップを計画されている閲覧者の方も、考えてみてはいかがでしょうか?

次回はX(グーグルX)について解説していきます。

著者:ポッシュF
東京大学卒業後、世界のトップ20に入るアイビー・リーグのMBA修了。外資系IT企業のアナリスト、エグゼクティブ、Web社長等を歴任。3度起業し、2度のエグジットに成功している。
FX業界の重鎮である今井雅人氏の5冊の著書を再構成・無料公開した「FX初心者の資産形成・運用向け今井流FX入門・始め方と口座比較」の講義解説者でもあり、今井氏と並ぶトップFXアナリストの西原宏一氏につけられたあだ名がポッシュ。FはFXのF。