映画から学ぶ副業・起業向けアドバイス
『モンパルナスの灯』

2021/03/19

アタッカーズ・ビジネススクール(ABS)のシニア・女性等への映画から学ぶ副業・起業アドバイスのコラム。今回は、公私を問わず起業におけるパートナーの重要性と、起業後は決して諦めてはいけないと示唆してくれる『モンパルナスの灯』について、将来の起業家・投資家であるみなさんと共に見ていきましょう。

副業・起業を目標とする方への『モンパルナスの灯』の概要

『モンパルナスの灯』は、貧困と病苦に苦しんだエコール・ド・パリの画家モディリアーニとその妻となる画学生ジャンヌ・エビュテルヌとの恋を描いた58年の名作です。現在アマゾン・プライムで視聴可能なので、紹介することにしました。『輪舞』(50年)、『歴史は女で作られる』(56年)で知られるマックス・オフュルス監督により制作されていましたが、監督の急死によりジャン・ギャバンの代表作である『現金に手を出すな』(54年)などで知られるジャック・ベッケル監督が後を引き継いだという経緯があります。

米国最大の映画批評サイトRotten Tomatoesには残念ながら登録されていませんIMDbでは1,303人の評価は7.4となっていて、あまり高くありません。ヌーヴェルバーグの監督たちに敬愛されていたベッケル監督の代表作として、本国フランスでは高く評価されているにもかかわらずです!

前回の『モモ』同様Rotten Tomatoesに評価がないことを考えると、実は日本は各国の名画を鑑賞できるという点で、アメリカよりもめぐまれた環境にあるのだと改めて感じさせられました。また、一般のアメリカ人が絵画にはあまり関心がないということを語っています。モディリアーニのファンならば必見の作品なのは明らかですので。

モディリアーニ役は、出世作となった『肉体の悪魔』(47年)以来、『花咲ける騎士道』(52年)、『赤と黒』(54年)などで圧倒的な人気を誇っていたフランス映画界を代表する名優ジェラール・フィリップです。容姿のみならず、その気品とコンセルヴァトワール仕込みの演技力が高く評価されていました。この『モンパルナスの灯』でも、その迫真の演技に圧倒されます。

ジャンヌ役は、『火の接吻』(49年)の美しさで人気となっていた当時26歳のアヌーク・エーメです。この作品での可憐な演技がきかっけでフェリーニの傑作『甘い生活』(59年)や『8½』(63年)、ジャック・ドゥミのおとぎ話『ローラ』(61年)などで主役を演じることとなり、ヨーロッパを代表する女優の一人へと成長していきました。

悪徳画商を、『死刑台のエレベーター』(57年)の警部役で注目されつつあったアラン・ドロン、ジョアンナ・シムカス共演の『冒険者たち』(67年)で知られる性格俳優のリノ・ヴァンチュラが演じ、強い印象を残しています。

起業家・投資家を目指すみなさん向けの『モンパルナスの灯』のネタバレなしの途中までのストーリー

ネタバレなしの途中までのストーリーは、1910年代のパリ・モンパルナスで始まります。モディリアーニ(ジェラール・フィリップ)は「巨匠」とあだ名され、画家仲間からは認められる才能を持ちながらも、一般には認められず、酒と女に身を持ち崩す生活を続けていました。画商の中では、同じアパートに住むスボロウスキーだけが、モディ(モディリアーニ)を認め、援助をしていました。

そんなある日、モディリアーニは裕福な画学生のジャンヌ・エビュテルヌ(アヌーク・エーメ)と出会いました。二人は惹かれあい、ジャンヌは家族を捨ててモディリアーニのもとにくると誓いますが、ジャンヌの家族は認めようとしませんでした。再び酒に溺れ、健康状態を悪化させたモディを、スボロウスキーな温暖なニースへ転地させます。暖かい陽光にあふれるニースにジャンヌも現れ、モディは健康を回復し、創作活動に打ち込むのでした。

しかし、その平和な日々も、長くは続きませんでした。パリでの個展が失敗に終わり、ジャンヌと生まれた子供を食べさせていくという重責に、モディリアーニは絶望していくのでした…。

『モンパルナスの灯』を観て副業・起業を目指す方に気づいて頂きたい点

『モンパルナスの灯』は、他の作品でも紹介しましたように、やはり起業には自分を本当に愛してくれるパートナーが必要なのだと、示唆してくれています。現在残るモディの名作の中には、ジャンヌをモデルとしたものも数多くあります。ジャンヌというパートーナーがいたことによる成功といえるでしょう、残念ながらモディの場合は、成功は死後のものとなってしまったわけですが…。

そして、起業家・投資家が最も多い国家であるアメリカ人がもっとも好きな言葉である「ネヴァー・ギブ・アップ」という言葉の重要性を、改めて喚起してくれています。いくら才能があろうとも、いつ認められるのかは運によるものが大きいわけです。起業家・投資家をめざすみなさんにとっても、いくらいいビジネス・プランがあろうとも、それが認められるのがいつになるかは「神のみぞ知る」なのです。それまでは、苦しくとも、決して諦めてはいけないわけです。

そして、そのためには、やはりパートナーが必要なのです。一人だと、「もう、どうにでもなれだ!」と自暴自棄になってしまっても決して不思議ではないですので。自分を裏切らずにを支えてくれるビジネスでの、またはプライベートでのパートナーができるまでは起業は延期するほうがいいのです。成功するまでの苦しい時期をお一人で乗り切るのは、常人には辛いでしょうから。

ジャンヌを演じたアヌーク・エーメも、モディを演じたジェラール・フィリップも、まさにはまり役です。この美男美女が見事に演ずるモディリアーニとジャンヌの史実に基づく深い愛に、観客は感動を隠せないことでしょう。まさに二人の愛は、「愛は死よりも強し」という言葉が現実化された純粋な愛だったといえるでしょう。

ゴッホ、ゴーギャンを始めとして、生前に認められず死後に認められるという画家は、枚挙にいとまがありません。そして、絵を描く才能など持ち合わせない悪徳画商が私腹をこやす。そうした芸術界の暗部を、悲恋物語をバックに描き出した傑作ともいえるでしょう。

絵画鑑賞が趣味な方、フィリップやエーメのファンの方、昔のフランス映画ファンの方、恋愛映画ファンの方、美男美女好きの方、そして画家や画商を目指している方、多くの人におすすめできる名作です。

著者:ポッシュF
東京大学卒業後、世界のトップ20に入るアイビー・リーグのMBA修了。外資系IT企業のアナリスト、エグゼクティブ、Web社長等を歴任。3度起業し、2度のエグジットに成功している。
FX業界の重鎮である今井雅人氏の5冊の著書を再構成・無料公開した「FX初心者の資産形成・運用向け今井流FX入門・始め方と口座比較」の講義解説者でもあり、今井氏と並ぶトップFXアナリストの西原宏一氏につけられたあだ名がポッシュ。FはFXのF。