起業・スタートアップのためのアドバイス1
起業の準備はいつから?
掲載:2020/8/19
最終更新日:2020/08/19
※記事の内容や肩書は、講義時のものです
アタッカーズ・ビジネススクール(ABS)のシニア・女性等への起業のアイデア・スタートアップのためのアドバイスの第1回。今回は起業・スタートアップはいつから準備すべきかについて解説していきます。
起業家・アントレプレナーへの準備はいつから始めるべき?
起業家・アントレプレナーは、現在の日本では、若い方が中心となっています。
筆者が以前経営していた会社は数十人のインターン学生により運営されていたのですが、外資系の戦略経営コンサルタント会社に就職した5人ほどの学生の中から2人がすでに起業しており、そのうちの1人の会社は昨年8月に自分が興した会社を売却し大きな利益を得ています。起業家や創業者が株式を売却し、利益を手にすることをエグジットといいます。まだ30歳代前半でエグジットを果たし、ミリオネアーとなったわけです。
これから起業・スタートアップされるシニア・女性等のみなさんの参考になると思いますので、その会社についてはシリコンバレー等の注目企業紹介コラムでいずれ紹介するつもりです。
ところで、起業・スタートアップの準備はいつから?への解答ですが、学生の間に起業するのが一番おすすめです。
米国ではGoogleのブリン氏やペイジ氏、Facebookのザッカーバーグ氏、日本ではオン・ザ・エッジ(後のライブドア)のホリエモンとして知られる堀江氏にしても、みな時間が有り余っている学生時代に起業をし、スタートアップについてのノウハウを学んでいるのです。
社会人になると当然のように休日は週末だけとなり、起業・スタートアップの準備に費やす時間は制限されてしまいます。また、いろいろなストレスもあり、本業だけでくたくたになってしまっても不思議ではありません。筆者のようにワーカホリックになってしまい、いつの間にか起業しようという夢を忘れてしまうというケースもあるでしょう。
上記のエグジットした学生も、実は学生時代に最初の会社を立ち上げていました。
アタッカーズ・ビジネススクールのサイトに訪れてこのコラムを読まれているみなさん、特に時間のある学生の方は、明日にでも起業・スタートアップの準備を始めることをオススメ致します。バイトやサークル、合コンはほどほどにして、起業をメインの活動にしましょう!リモート授業が実施されている現在の状況に不満をもつのではなく、チャンスだとポジティブにとらえるポジティブ・シンキングも学生時代から身につけましょう!
また、若い社会人の方で起業・スタートアップを目指しているのであれば、求められている仕事だけをクールにこなし、必要以上の仕事に自ら志願することは避けてその時間を起業の準備に当てるのはいかがでしょうか?
みなさんの周りでもエグジットした方や、起業して順調に言っていると話している友人がいるかもしれません。しかし、起業は決して甘いものではありません。ご友人が、良いところばかりを並べて、格好をつけているだけということも考えられます。起業後は、軌道に乗るまでは寝る時間以外は仕事をして、休みも1日にするという覚悟が必要です。
つまり、会社に染まってしまう前に、会社の仕事は義務と生きていくための手段と割り切り、できる限り早く起業・スタートアップの準備をするべきというのが正解です。
若い世代ではなく、中高年・シニアにこそ起業・スタートアップが必要!
次にお話したいのが、中高年・シニアの起業・スタートアップについてです。現在日本では65歳定年で65歳から年金が支払われることになっています。しかし、このロイターの記事にありますように、政府は定年を70歳や75歳まで延長するという議論を初めたようです。
それに対して政府が65歳以上での就職を支援してくれるわけではなく、記事にもありますように、企業は国際競争力が落ちるので70歳までの定年延長には及び腰です。就職できる方は技術系など、特殊な技術をお持ちの方や士業の方に限定されてしまうでしょう。
70歳までは、退職金や預金を取り崩していくことにもなりかねません。その両方共持ち合わせない方はどうすればいいのでしょうか?
また、厚生労働省の資料によりますと、平均寿命と健康寿命の間には、男性で約9年、女性では約13年ものの差が存在します。
年金で生きていけるのはあくまでも健康寿命の間であり、その後は介護と医療への費用が急増するわけです。昨年話題になった老後の生活資金は最低でも2000万円は必要との蔵相のご意見は、別に当然のことを報告しただけといっても差し支えないでしょう。
さらにNHK政治マガジンの記事にありますように、2022年から2025年に団塊の世代が75歳になり後期高齢者となるに当たり、健康保険組合連合会が、後期高齢者の病院や薬局での窓口負担を従来の1割から2割に引き上げるよう提言を行いました。高齢者が毎日使用することで保健医療を圧迫しているロキソニンテープなどの湿布剤も保険の適用外にするという意見も、でてきています。高齢者の医療負担は、今後増大していくと考えられます。
こうした状況下においては、シニアの方も将来についての備えを始めなければならないわけです。
このための解決手段の1つが、投資です。この日本経済新聞の記事にありますように、金融資産の5割以上が昔と変わらず預金、現金を占める日本は、金融資産の5割を株式や投信が占める米国を見習うべきで、投資教育を行うべきという意見があります。
そして、もう一つの手段が、近年認可する企業が増えてきた副業を始めることです。
中高年・シニアの方は副業が認可されている場合はすぐに始め、認可されていない場合でも空き時間を見つけて準備を始めるべき!
近年は、副業を認める企業も増えてきています。そうした企業に勤めているのならば副業をすぐにでも始め、将来退職した際にはそれで生計を建てられるように、今すぐにでも準備を初めましょう。副業を収益化するためには、相当の時間がかかるからです。
また、副業が認められていない企業にお勤めの場合も、50歳をすぎると仕事量がだんだん減ってくるケースもあるでしょう。特に55歳から58歳ぐらいに実施される役職定年を迎えると、余裕のある時間が増えるのではないでしょうか?
そう考えると、定年の65歳までは7年から10年もあります。この間に給与をもらいながら、ゆっくりと、どの分野で起業・スタートアップすべきかを試行錯誤しながら模索することができるわけです。
役職定年を迎えられた方もゴルフや同窓会もほどほどにして、起業・スタートアップについて考えてみてはいかがでしょうか?
専業主婦やパートタイムの女性の方は、空き時間を見つけて起業・スタートアップの準備を始めるべき!
同様に、専業主婦や、税金の問題で収入上限を超えないようにパートタイムにつかれている女性(専業主夫などの男性の方も含む)の方も、起業・スタートアップについて考えてみてはいかがでしょうか?
余裕時間をショッピングやママ友との付き合いに使う代わりに、ご自分のお好きな、得意な分野での起業を考えてみてはいかがでしょうか?いったん起業しても収益化するまでは時間がかかりますので、税金の問題もクリアーできますから。
次回はどの分野で起業するべきか?について解説していきます。
著者:松田遼司
東京大学卒業後、世界のトップ20に入るアイビー・リーグのMBA修了。外資系IT企業のアナリスト、エグゼクティブ、Web社長等を歴任。3度起業し、2度のエグジットに成功している。
FX業界の重鎮である今井雅人氏の5冊の著書を再構成・無料公開した「FX初心者の資産形成・運用向け今井流FX入門・始め方と口座比較」の講義解説者でもある。
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