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シニア・女性・若年層の起業・スタートアップのための
アドバイス4 定款に必須の記載事項

2020/09/07

アタッカーズ・ビジネススクール(ABS)のシニア・女性等への起業のアイデア・スタートアップのためのアドバイスの第4回。前回は、どの分野でスタートアップすべきかについて、お話しました。前回は、個人事業主と会社設立どちらにすべきかについて、説明しました。今回は、起業・スタートアップ時の会社設立の際に必要となる定款について、解説していきます。

起業・スタートアップの際に必要な定款とその重要性について

定款とは、法人の会社運営における基本的な規約・規則を記録したものです。かつては紙に記されていましたが、現在ではCD-ROMなどの電子媒体にも合わせて記録されています。国に例えると、憲法ともいえるものです。

史上最長の在職日数を記録した安倍首相でさえ、懸案の憲法9条の改憲に踏み切れませんでした。これから起業家・アントレプレナーを目指す閲覧者の方々には、定款は憲法同様に簡単に変更できないものだと覚えていただければと思います。

起業・スタートアップ時には、やらねばならないことが山積みとなります。どうしても忘れてしまったり、いい加減になってしまう事項もでてきてしまうでしょう。それは失敗がつきものの人間ですので、仕方がないことだと思います。

その中でも、定款だけはおろそかにしてはならないのです。今後の会社の行く末を左右することにもなるかもしれない憲法のようなものなのですから!印鑑の材質やデザインなどは、二の次です。仕事におけるプライオリティづけは、しっかり行うようにしましょう!

もちろん司法書士を雇えば助言はしてくれますが、定款について考えるのは起業・会社設立に向け頑張っているシニア・女性・若年層などのみなさんの仕事です。定款については、決して手を抜かないようにしてください。そして、出来上がった定款については、ご自分だけでなく、共同設立者や出資者の方も含めて、何度もチェックするようにしましょう。

起業・スタートアップに必要な定款の内容と記載事項について

定款においては、法人の商号(会社名)、目的、所在地、組織構成などの総則が、まず挙げられます。その他に、その数・種類・条件からなる株式、その種類・議長・方法などについて記した株主総会、その数・任期・選任方法・報酬についての取締役事業年度、資本金額などから構成されています。

定款を見れば、その会社についての概要を把握できるといえるでしょう。

定款には必ず記載しなければならない絶対的記載事項、記載しなければ効力をもたない相対的記載事項、定款外において定められる任意的記載事項があります。

定款に記載すると定款変更手続きが必要となるので、重要事項については相対的最事項として定款に記載するのが得策でしょう。反対に、未定事項や非重要事項については、変更を簡単に実施できる任意的記載事項にするべきでしょう。

ちなみに株式会社においては、目的、商号、本店所在地、発起人の氏名と住所、出資時の財産の価値(出資金)、発行可能株式総数(数億など多めに設定するべき)が絶対的記載事項となっています。

起業家・アントレプレナー必見!定款の目的は幅広く、それともスペシフィックに?

定款で重要なのは、目的です。もちろんシニア・女性・若年層のみなさんが起業する際には今後展開していく事業が決まっているはずですから、その事業と付帯する事業についてを、目的に記載することになります。

目的の記載事項は、ラーメン屋さんなら飲食業、ECサイトならインターネットを利用した物販業など、目的が一つであれば簡単です。しかし、シリコン・ヴァレーの注目企業紹介で取り上げたグーグルの親会社であるアルファベットの場合にはどうなるでしょうか

グーグルの当初の事業は、検索ロボットの、自社サイトのみならず他ポータルサイトへの提供でした。しかし、それだけでは事業収入が限られていて赤字だったため、Overture社を真似た検索連動型広告を導入することになりました、いわゆるアドワーズです。

当初にブリン氏が「インターネットを利用した広告の提供」を目的にしていたどうかはわかりませんが、目的に入れていなかった場合は定款の変更を迫られたこととなります。つまり、定款の目的はスペシフィックにするのではなく幅広くするのが正解、となります。

将来の事業の展開を設立時から予測し、設立段階の事業とかけ離れた事業であっても、論理的な説明ができるのであれば目的に入れるべきなのです。

アルファベットの場合には最低でも、「インターネットを利用した広告の提供」を目的に入れるべきだったでしょうし、ブリン氏が当初から世の中の役に立つということを考えていたのであれば、「AIを利用した患者データからのパターン検出による特定疾患の早期発見」、「自動運転」、「ドローンによる宅配便」、「世界中の目的地検索と地図」など、現在アルファベットが行っている事業のうちのいくつかも、目的に入っていたのかもしれません

起業・スタートアップを目指す方注目!定款の目的の中に是非入れておきたいコンサルティングと人材紹介!

上記のように、設立当初から将来の事業展開を予測し、目的に多くの項目を入れることが必要なのだと、起業家・アントレプレナーを目標とするシニア・女性・学生などの読者の方々にも理解頂けたと思います。そのほかに、目的に入れるべき項目としてご紹介しておきたいのが、コンサルティングと人材紹介です。

みなさんが実際に起業を始めたとしても、予定通りに売上が立つがどうかは、神のみぞ知るでしょう。1年間の生活費を含めた費用はどれぐらいを準備しておくのが無難かについては、別途紹介させて頂きます。

こうした際に、当座しのぎとして売上に貢献してくれるのが、コンサルティングと人材紹介なのです。

若年層の男性や専業主婦などの女性の方でも、コンサルティング会社に務めていた人や大手企業の企画にいた人材ならば、フリーランスのコンサルタントとしての仕事があるかもしれません。また、以前の取引先から仕事を頂けるチャンスもありえます。

中高年・シニアの方であれば、外資ではマーケティングや広報、日本企業の場合でも人事や経理などの専門的分野に従事していた方であれば、アドバイザー的な仕事の機会はあるでしょう。

個人事業主としてではなく、設立した会社として仕事を引き受ければ、こうした本業とは関係のないフリーランスとしての仕事を売上に加えることができるわけです。ぜひともコンサルティング業を、目的に加えるようにしましょう!

また、特にWeb業界で以前から行われているのが、人材紹介業です。横のつながりが多いという業界事情もあるのですが、本業で売上が上る前は実は人材紹介業で食いつないでいたという上場企業も、少なくありません

人材紹介業には、通常は入社した方が3ヶ月以内に退職した場合は紹介手数料の半額を返済するなどの規定(各社によって異なる)が存在します。しかし、入社された方の年収の30%ほどが、紹介手数料となります。年収500万の方を1人紹介するだけで、150万円の売上が計上される計算となります。

返済規定を競合他社より緩くする、報酬を年収の25%にするなどの差別化をはかれば、人脈のない方でも可能性はあるのではないでしょうか?まして、人脈の広い人ならば言うまでもないでしょう。

人材紹介の免許は、簡単に取得できます。また、ご自分が自信をもって勧められる会社であれば、マルチ商法とは異なり、友人を紹介してもウインウインとなるので、友情が失われることもないでしょう。この人材紹介業も、目的に加えてみてはいかがでしょうか?

次回は、ビジネスモデルについて解説したいと思います。

著者:ポッシュF
東京大学卒業後、世界のトップ20に入るアイビー・リーグのMBA修了。外資系IT企業のアナリスト、エグゼクティブ、Web社長等を歴任。3度起業し、2度のエグジットに成功している。
FX業界の重鎮である今井雅人氏の5冊の著書を再構成・無料公開した「FX初心者の資産形成・運用向け今井流FX入門・始め方と口座比較」の講義解説者でもあり、今井氏と並ぶトップFXアナリストの西原宏一氏につけられたあだ名がポッシュ。FはFXのF。