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シニア・女性・若年層の起業・スタートアップのための
アドバイス5 ビジネスモデルの変更は必要!

2020/09/09

アタッカーズ・ビジネススクール(ABS)のシニア・女性等への起業のアイデア・スタートアップのためのアドバイスの第5回。前回は、どの分野でスタートアップすべきかについて、お話しました。前回は、会社設立時に必須の定款作成のポイントについて、お話ししました。今回は、起業・スタートアップ後に必要となるビジネスモデル変更について、解説していきます。

起業家・アントレプレナーにとってのビジネスモデル変更の必要性について

将来の起業・スタートアップを目標とするシニア・女性・若年層などのみなさんがまず行うべきことは、ご自分について知り、先輩の起業家・アントレプレナーから学び、事業計画をたてることだとアタッカーズ・ビジネススクール(ABS)は教えています。

こうして作成されたビジネスモデルをもとに起業するわけですが、この最初のビジネスモデルで成功できるかどうかは、わかりません。ビジネスモデルが時代に先行しすぎている、または先行している競業他社の力が強いなど、予想どおりに集客できないということは、いくらでも起きるわけです。

そうした際に最初のビジネスモデルに頑固に執着しすぎると、どうなるでしょうか?資金がつきて、廃業や休眠に追い込まれることになります。

今回は起業・スタートアップを目指す閲覧者の方にも身近な日米のいくつかの会社を例に、ビジネスモデルの変更の必要性について考えていきましょう。

ビジネスモデル変更成功例1. ミクシィ

ミクシィは、アタッカーズ・ビジネススクールの卒業生である笠原健治氏が、東京大学時代の1997年に設立したIT系求人サイト「Find Job」が出発点となっています。前回紹介しましたように、とりあえず人材紹介により収益を確保することは、Web業界ではよくある事例です。

そして、オークションサイト運営、プレスリリース配信代行などを経て、2004年にソーシャル・ネットワーキングサービス(SNS)サイトの「mixi」の運営を開始します。学生を中心に人気となり、2005年にはユーザー数が100万人を突破するなど一気に成長企業となり、2006年に東証マザーズに上場を果たしました。

しかし、2008年にはFacebook、Twitterなどの海外の競合他社が日本に進出し、SNS事業は停滞してしまいます。2013年度には、赤字に転落してしまいました。

このままSNSというビジネスモデルにしがみついていたならば、現在ミクシィはなくなっていたかもしれません。

すると、2013年には同業他社に追随して携帯電話向けゲームに進出、スマホゲームアプリ「モンスターストライク」が大ヒットとなり、2014年度以降の業績は急回復を遂げました。さすがにモンストの勢いはなくなりましたが、2020年現在も黒字を維持しています。

このように、SNS事業から携帯電話向けゲームへのビジネスモデルの転換を果たしたことが成功要因といえるでしょう。

ビジネスモデル変更成功例2. DeNA

DeNAは、1999年にアタッカーズ・ビジネススクールの親会社であるBBT(ビジネス・ブレークスルー)創業者の大前氏が日本支社長を務めていたコンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーの元パートナーだった南場智子氏により、ネットオークションサイト「ビッダーズ」の運営会社として始まりました。2004年にはケータイオークションサイト「モバオク」を開始、2005年にはauやドコモでの携帯電話向けオークションの成功により、東証マザーズに上場を果たしました。

しかし、DeNAが急成長を遂げたのは、ネットオークションが理由ではありません。ネットオークションでは、ヤフーの一人勝ちが続いていたからです。ネットオークションにこだわっていたならば、現在のプロ野球球団を保有するほどの成功はなかったでしょう。

2006年にその後社長となる守安功氏が手がけた携帯電話向けゲームサイト「モバゲータウン」を開始すると、一気に人気が高まり、2008年には会員数が1,000万人を突破します。そして2011年には横浜ベイスターズを買収し、横浜DeNAベイスターズが誕生しました。

その後、2017年にはキュレーション事業に関する不祥事もありましたが、これもゲーム事業の停滞から新規ビジネスモデルを模索したことによるもので、ビジネスモデルの転換を図ったという観点からは評価するべきかもしれません。

そういうわけで、このDeNAもネットオークションから携帯電話向けゲームへのビジネスモデル移行により成功したといえるでしょう。

ビジネスモデル変更成功例3. マイクロソフト

上述のミクシィとDeNAの例は全く異なる新規事業を開始した、同業他社の成功例を真似たという2つのパターンからなる成功事例です。

それに対して次に紹介するマイクロソフトの例は、売るものは同じだがビジネスモデルを変革した例といえるでしょう。

シリコンバレーの企業紹介のアルファベットで触れましたが、2019年4月にマイクロソフトがアップル、アマゾンに続いて時価総額1兆ドルクラブの仲間入りを果たしました。GAFAと呼ばれる4社のうち、アルファベットとフェイスブックに先立つ快挙でした。

マイクロソフトというと、最近はGAFAの影に隠れ、日本ではあまり話題にのぼることも少なくなっているという印象でした。起業家・アントレプレナーを目指す閲覧者での中でも、特にシニア層のみなさんは、かつてのマイクロソフトとインテルが世界を支配していたウインテルという時代をご存知でしょう。しかし、それも遠い過去のものというイメージを持たれていた方が、多いのではないでしょうか?ところが実際には、マイクロソフトは復活を果たしていたわけです。

この理由が、WordやExcelなどのOfficeシリーズを従来のパッケージ売りから月額課金のサブスクリプション型に変更したからだということも、同じメルマガ記事で解説しました。

サブスクリプション型のビジネス・モデルは、GAFAに先立ちFAANGと呼ばれた、ネットフリックスを加えた5社が得意とするモデルです。

アマゾンは、アマゾンプライムという月額500円、年額4900円で迅速な配送特典だけでなく、映画やTV番組、音楽、Kindle電子書籍を見放題、聴き放題、写真の保存というサービスを提供しています。ネットフリックスは、月額定額の映画やTV番組の見放題のサービスを、アップルは月額定額の音楽視聴サービス(Apple music)や容量無制限の写真やファイルの保存サービスを提供しています。サブスクリプション・モデルが、収益の大きな柱となっています。

広告モデルが収益を支えているグーグルも、米国では「Google Play」のゲームやアプリが使い放題になるサービスを提供しています。同じく広告モデルに依存するフェイスブックを除くと、FAANG各社はサブスクリプション・モデルを採用していることになります。

このマイクロソフトの例のように、売る製品は同じでも収益モデルを転換するということも、ビジネスモデルの変更の一つのパターンといえるでしょう。

起業家・アントレプレナーにとって大切なのは最新の情報を収集すること

以上の例のように、創業時のビジネスモデルに執着しても、何もいいことはありません。時代の変化と共にビジネスモデルは陳腐化していきますし、流れに合わせなくては行けないからです。

同じ事業を継続するにしても広告モデルから有料会員向けのサロン化による課金収入に変更する、マイクロソフトの例のようにパッケージ売りから月額課金モデルに変更するなど、収益モデルの変更があります。

ミクシィやDeNAのように、新規事業への参入もあるでしょう。

ここで将来のアントレプレナーのみなさんに理解していただきたいのは、模倣は恥じるものではないということです。オリジナルのビジネスモデルを構築できるスタートアップなどは、一握りにすぎないでしょう。最新の情報を常に収集し、それを手本にして、いつでもビジネス・モデルを変更出来る体制にしておくことが大切なのです。起業・スタートアップを狙うシニア・女性・若年層などの閲覧者の方は、よく覚えておいてください。

次回は、海外情報収集手法について、解説したいと思います。

著者:ポッシュF
東京大学卒業後、世界のトップ20に入るアイビー・リーグのMBA修了。外資系IT企業のアナリスト、エグゼクティブ、Web社長等を歴任。3度起業し、2度のエグジットに成功している。
FX業界の重鎮である今井雅人氏の5冊の著書を再構成・無料公開した「FX初心者の資産形成・運用向け今井流FX入門・始め方と口座比較」の講義解説者でもあり、今井氏と並ぶトップFXアナリストの西原宏一氏につけられたあだ名がポッシュ。FはFXのF。