起業アドバイス

起業・スタートアップのためのアドバイス7
起業前からの人脈形成の重要性

掲載:2020/9/14

最終更新日:2020/09/14

※記事の内容や肩書は、講義時のものです

アタッカーズ・ビジネススクール(ABS)のシニア・女性等への起業のアイデア・スタートアップのためのアドバイスの第7回。前回は、海外情報取得の必要性についてお話ししました。今回は起業・スタートアップ前から準備したい人脈形成の方法について解説していきます。

起業家・アントレプレナーは、起業前に今までの人脈を深掘りするべき!

前回のコラムで、将来の起業家・アントレプレナーであるみなさんにも、海外の総合ニュースサイトや専門サイトの閲覧を習慣化することの重要性がご理解いただけたと思います。

そして、それ以上に必要なのが、人脈の形成です。

起業・スタートアップをする際に資金調達の目処がない際には、おひとりで個人事業主からまずは始めてみるのも一つの方法だということを、第3回でお話しました。しかし、ひとりで始めるにしても、すべての起業の手続きをご自分でできるわけではありません

例えば司法書士を見つけるにしても、ネットで探すよりも、信頼のおける友人から紹介してもらうほうが安心でしょう。お店を開くには、不動産屋の知りありがいると、コスパのよい物件をみつけやすいでしょう。飲食店を開くにしても、明るく誰にでも好かれ、接客の作法を身につけている給仕の方が必要となるでしょう。

お店やウェブサイトの宣伝をするにはSEOを理解している方がいれば心強いでしょうし、サイトを作成する際にもウェブに詳しい方がいないと、低品質なのに高額なサイト作成費用がかかってしまうでしょう。

このように、ご自身の今までの人脈をまずは活用し、家族や学校の同級生などの友人、仕事で知り合った方などのつてをたどって、上記のようなスタートアップの際に必要な人材を見つけることがまずは必須なのです。

シニア・女性・若年層などのABSの受講生のみなさんは、まずは起業家・アントレプレナーになるために必要なTo doリストに人材の欄を追加してみてはいかがでしょうか?

起業・スタートアップ前から人脈作成を心がける!

上記のように、起業・スタートアップ時にある程度の人脈ができていることが理想です。起業を考え始めた時から、十年以上も会っていない友人などに接触を取り始めるなどのアクションが必要だと、筆者は考えています。

もう長いこと会ってもいない友人に突然連絡をして、「起業することになったので、こういう人材を紹介してくれない?」と言われて、良い気持ちを抱く人がいるでしょうか?旧友から久しぶりに連絡があったので嬉しくて会いに行ったらマルチ商法の勧誘をされ、それ以来その方と会うのをやめた、という友人の話を聞いたことがあります。

このように、下手をすると友人関係にまで亀裂を生じかねません。相手を利用していると思われないためにも、起業家・アントレプレナーを目指そうと思い立った際からの事前の人脈の再形成が必要だと思います。

起業家・アントレプレナーを目指す方の条件は人を大切にしている人!

それでは起業・スタートアップ前にある程度の人脈を形成するにはどうすればよいのでしょう?

まずは、当たり前かもしれないですが、現在の仕事を全力で行うことだと思います。それによって上司や同僚だけでなく、取引先などの信頼を獲得することができるでしょう。円満退社をして独立すれば、同業で起業する場合は別として、彼等が助けてくれて、その人脈を活用することができるでしょう。

筆者も前職や前々職で上司、同僚、部下だった人や、取引先で懇意にして頂いていた方には色々とお世話になっています。学生時代や就職後にできた友人はもちろんですが!

しかし、仕事を全力で行い仕事ができると信頼されていても、一匹狼を助ける人は少ないでしょう。精神論的になりますが、それ以上に重要なのは、仕事でもプライベートにおいても、接する人を大切に扱うことです。

堀江さんのような天才を別にして、我々のような凡人が起業家・アントレプレナーになる条件の一つとして、普段から人を大切にしていて、助けてくれる人が周りにいるということがあると思います。

異業種交流会と起業・スタートアップする業界のセミナーと、どちらが重要か?

今まで紹介してきたものは、既存の人脈ネットワークの深掘りです。

例えば、起業・スタートアップを目指すみなさんも、恋人を探すときには友人の友人などのあまり知らない方がたくさん集まる合コンや飲み会よりも、親しい友人の紹介のほうが上手くいく確率が高いというご経験はないでしょうか?筆者の場合は、友人の紹介による2対2とか3対3とかの食事会の方が、断然マッチングする確率が高かったです!

そういうわけで、まずはご自身をよく知る友人や会社の仲間や取引先からの紹介をおすすめしたわけです。

しかし、必要な人材をすべてご自分のネットワークでまかなえる方は、特に同じ会社に数十年働いてきたシニア層のサラリーマンなどでは、なかなかいないかもしれません。

そこでよくネットなどで紹介されているのが、異業種人材交流会というものです。しかし、こうした漠然とした交流会のほとんどはあまり役に立たず、人脈形成につながらない場合が多いのです。

異業種なのですから、例えばIT業界を目指す方が飲食業を目指す方と交流してもあまり話が盛り上がらないですよね?知らない方と名刺交換をするのも営業職以外の方にはストレスでしょうし、意味がない交流会に参加してこうした集まりに苦手意識をもたれてしまうのも困るので、おすすめ致しません。

つまり、起業家・アントレプレナーになろうと思い立って、とりあえず異業種交流会に参加するというのは意味がないということです。まずは、起業・スタートアップする業種が決まってからでも遅くはないのです!

起業する業種が具体的になってから、その業界で認められている実力者の方も講師として参加するセミナーへ参加するのは非常に役に立つでしょう。セミナーでは終了後に講演者への質問や名刺交換、中には懇親会の機会もあるでしょう。

そうしたチャンスを利用すれば、よりご自身の目指す方向に一致した方との人脈を築けるのではないでしょうか?

起業家・アントレプレナーとなるにはインキュベータやアクセラレータを活用する!

インキュベータは起業間もないベンチャー企業を、アクセラレータはシード期を過ぎたベンチャー起業を支援する組織です。ビジネス・コンセプトの実現と事業の成功を手助けしてくれます。

ベンチャー・キャピタルは資金面での支援が中心となりますが、両者の場合は出資よりもメンターによる経営支援や既存の支援会社とのマッチング・協業支援などが主体であり、その中には当然人材の紹介も含まれます。

こうしたインキュベータやアクセラレータが主催するビジネスプラン募集プログラムに応募して参加が決定すれば、ファンディングも含めた様々な支援を受けることができます

問題は採用されることは簡単ではないということですね。

1990年代に大手企業で最初の社内子会社制度を始めた富士通やKDDI、デジタルガレージなどのIT企業から、JR東日本や、ホンダ、積水ハウスまで様々な業種の企業がプログラムを用意しています。

ABS(アタッカーズ・ビジネススクール)による起業家養成スクールに参加する!

大前研一氏が設立した20年以上の歴史を誇るアントレプレナー(起業家)養成学校、ABS(アタッカーズ・ビジネススクール)では、現在みなさんがお読みになっている起業・スタートアップのためのアドバイスだけでなく、様々なプログラムを用意しています。

例えばクラウドワークスの吉田浩一郎社長など卒業生によるセミナーに参加することができ、講師や参加者である起業家・アントレプレナーやそれを目指す方々と知り合うことができます。

卒業生はすべてアタッカーズ・ビジネススクールの関係者であるABSfamilyとなれるので、外部のセミナーに参加するときとは異なり、セミナーの講師や参加者と自然と人脈が作成できます。名刺交換などが苦手な方には特におすすめです。

シニア・女性・若年層の閲覧者の方が起業・スタートアップを思い立ったならば、まずはABS(アタッカーズ・ビジネススクール)に入学し、起業のための知識を身につけるだけでなく、人脈を事前に形成してみてはいかがでしょうか?

次回は起業の場所について解説していきます。

著者:松田遼司
東京大学卒業後、世界のトップ20に入るアイビー・リーグのMBA修了。外資系IT企業のアナリスト、エグゼクティブ、Web社長等を歴任。3度起業し、2度のエグジットに成功している。
FX業界の重鎮である今井雅人氏の5冊の著書を再構成・無料公開した「FX初心者の資産形成・運用向け今井流FX入門・始め方と口座比較」の講義解説者でもある。

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